【現地報告】アメリカのContent Marketing Worldで教わった海外厳選のトレンド3選


先日、サムライトの代表と社員1名がアメリカで開催されたコンテンツマーケティングのカンファレンス「Content Marketing World(コンテンツマーケティングワールド)」に参加しました。

このカンファレンスはコンテンツマーケティング業界最大のイベントで、最先端の情報が集まる4日間です。

今後、日本のコンテンツマーケティングにも影響を及ぼすと思われる発表が多くありました。その中、筆者が肌で感じたトレンドを3つピックアップしてご紹介します。

コンテンツマーケティング、海外のトレンド

1. AIは仕事を奪うものではなく、仕事を効率化するもの

AIは人間から仕事を奪うのかを心配している人が多くいます。 カンファレンスに参加する前には、筆者もそのひとりでした。しかし、事実は大きく異なります。

登壇したPaul Roetzer氏(ポール・ローツアー)は下記のようにAIのメリットを述べました。

  1. AIは人の知識や仕事の範囲を拡大する
  2. AIは問題を解決し、ゴールを達成する
  3. AIは人間によるデータ入力がないと学べない
  4. 業界の人がAIをどう使うのかについて議論する必要がある
  5. AIの活動により、人間が考えられる余裕を持てるようになる
  6. AI活用はまだ初期段階
  7. AIが競合他社と差を生む手段にもなれる

AIは仕事を奪うものではなく、仕事を効率化して、より重要なことをするために余裕を持つための手段です。

また、無料のAIソフトが存在しているため、ゼロからのソリューションを開発しなくても、リリースされているソフトを組み合わることができます。

2. ストーリーテリングの重要性が高まる

ストーリーテリングとは、物語を語ること。マーケティングの場合、CMや宣伝の ストーリーが製品の良し悪しを決めると言っても過言ではありません。

ユーザーがどれくらい共感しているか、ブランドについてどう思っているのか。このすべてがストーリーテリングの一部であり、海外の広告業界では、ストーリーテリングの重要性が高まっています。

コンテンツマーケティングのDMPを提供しているContently社の副社長・Joe Lazauskas氏(ジョー・ラザウスカス)がよいコンテンツの基準を4つあげていました。

  1. Reliability(共感度)
    生活者がCMの出演者にどれくらい共感できるのか?
  2. Novelty(新鮮度)
    この宣伝の新鮮度が高い?それとも、低い?
  3. Fluency(理解度)
    このコンテンツはどれくらい分かりやすい?
  4. Tension(テンション)
    このコンテンツにおけるテンションはどうなのか?

シンプルな基準ですが、コンテンツマーケティングを提供している大手企業の創業者に言われると、重要を再認識させられます。

また、宣伝を見て、生活者はいつのタイミングで感情が変化するのか、購買意欲の強さなどを数字化できるデバイスがあります。

会場ではLazauskas氏が実験を行い、イベント参加者の何人かがCMを見た反応を、その場で計ることができました。

感情の変化から判断した基準では、CMのクライマックスのインパクトが弱く、より短いCMにしたほうが効果的という結果がでました。現在、業界では大きく使われていないものの、近いうちに普及されているのかもしれません。

3. 海外では、ブランデッド・ジャーナリズムは当たり前になっている

ブランデッド・ジャーナリズムとは、企業のメディア化のこと。ブランドが媒体を持つことにより、企業への信頼性が上がり、イメージアップにもつながっています。

近年、StarbucksがStarbucks Newsをローンチ。Brew Dogというスコットランドにある酒屋さんがNetflixのようなビールに関するストリーミングサービスを開発。

Arrow Electronicsという家電を販売する会社が電気工学をテーマにしている学術誌を53誌ほど買収。

各社はそれぞれ戦略を持ちますが、企業がどんどんメディアを作っているようです。日本では、オウンドメディアが普及していますが、海外企業はさらなる一歩を踏み出したように見えます。

また、海外では、記者からマーケッターに転向する人が増加しています。

カンファレンス中によく耳にした言葉ですが、「マーケッターが記者に転機するよりも、記者がマーケッターになるのは簡単である」と。

海外の広告業界では今、このシフトが盛り上がっています。日本ではまだ、記者とマーケッターのギャップは大きいのですが、この流れは国内でも広がってくるかもしれません。

最後に

Content Marketing WorldがHuntington Convention Center of Clevelandにて開催。(写真/Michael Barera氏)

いかがでしょうか?

日本で日々を過ごし、国内の動きだけを見ていると、広告業界の全体像や最新トレンドを正確に把握できない恐れがあります。この記事が少しでもお力になれたら嬉しいです。

また、カンファレンスの動画パスを購入しましたので、定期的に2018年のContent Marketing Worldで開催されたイベントのレポートを提供していきます。お楽しみに!


ABOUTこの記事をかいた人

金澤 ジョーダン

広告代理店出身の社会人5年目。アプリ領域の強い代理店から外資系コンサルティング企業に転籍し、オンライン教育事業部の0→1を経験。また、海外メディア企業の日本オペレーションの最高責任者も含めて、フリーランスを応援するWeb媒体のライターとして活動。現在、ビジネスデベロップメントに加え、商品開発や海外リサーチなど、数多くのことを実施中。