ここから始めよう!Googleアナリティクスのキホンと8つの主要指標


Googleアナリティクス(Google Analytics)は、無料で様々なアクセス解析ができる便利なツールで、Webマーケティング担当者は必ずマスターしておきたいツールの一つです。

今回は、これからGoogleアナリティクスを使い始める人のために、Googeアナリティクスの基本と、覚えておきたい8個の主要指標を説明していきます。

Googleアナリティクスを始める方法

Googleアナリティクスを始めるには、まずGoogleのアカウントを作成してログインする必要があります。(すでにアカウントを持っているのであれば、そちらを使用しても構いません)

次に、Googleアナリティクスのサイト(こちら)でログインします。

最後まで情報を登録し終わったら、トラッキングコードと呼ばれるJavaScriptのコードが発行されます。そのコードを、分析したいサイトページに埋め込めば準備は完了です。

「ディメンション」と「指標」

Googleアナリティクスを使う際に、前提として覚えておきたいのが、「ディメンション」と「指標」の関係です。

「ディメンション」とはいわゆる「属性」のことで、性別、地域、年齢、デバイスの種類、あるいは特定のページURLなどがその一例です。一方、「指標」とは定量化されたデータのことで、ページビューや滞在時間などの数値データです。

Googleアナリティクスで見ることができるレポートはすべて、ディメンションと指標の組み合わせで構成されています。例えば、全ユーザーのアクセス数の合計値はもちろんのこと、例えばPCからのアクセス数とスマートフォンからのアクセス数に分解してそれぞれ見ることもできます。
(注:すべてのディメンションと指標を組み合わせられるわけではありません)

8つの主要な指標

それではいよいよ、Googleアナリティクスで得られる下記の8つの主要指標について、ひとつずつ説明していきます。

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1. ページビュー数
2. ユーザー
3. セッション
4. (平均)ページ滞在時間
5. (平均)セッション時間
6. 直帰率
7. 離脱率
8. 目標の完了数&コンバージョン率
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ページビュー数

「ページビュー数」はWebサイト内のページがユーザーに見られた回数を表します。「PV」と略されることが多いです。

PVはそのWebサイトまたはページがどれくらい見られているかを示すもっとも基本的な指標です。同じユーザーが一つのWebサイト内でさまざまなページを閲覧した場合でも、そのすべてがPVとしてカウントされます。

全ページのPVの合計はそのWebサイト全体の規模を表します。各ページのPVは、よく見られている/あまり見られていない等、ページ単体の評価を理解するのに役立ちます。

ユーザー

「ユーザー」とは、指定した期間で訪れたユーザーの合計数のことです。一般的に、Unique User(ユニークユーザー)を略して「UU」と呼ばれています。
(なお、アナリティクス内の「新規ユーザー」とは、そのサイトでの計測を始めてから初めてアクセスしたユーザーの数を意味します)

先述のPVは一人のユーザーのすべての閲覧数をカウントしていましたが、UUは、Uniqueという言葉が示す通り、閲覧ページ数は関係なく、実際に何人のユーザーがサイトに訪れていたのかを示します。そのため、UUはPVよりも少なくなります。

ただし厳密にいうと、同じユーザーが異なるデバイスやブラウザを使って同じページを閲覧した場合、デバイスごと、ブラウザごとに1UUとしてカウントされます。そのためUUは、おおよそのユーザー数の規模を把握する指標だと覚えておきましょう。

また、1年間のUU数は、毎月のUU数の合計ではない、ということも覚えておきたいポイントです。1人のユーザーが毎月サイトに訪れた場合、実際は1UUですが、毎月のUU数にカウントされているため、12ヵ月分を合計すると12UUという誤ったデータが算出されてしまいます。特定期間のUU数を把握したい場合は、Googleアナリティクス上で期間を指定してデータを見ることが大切です。

セッション

セッションとは「サイト訪問数」のことで、ユーザーがWebサイトを訪れてから(複数のページを回遊して)離脱するまでの一連の流れが発生した回数を表します。
PVはページ単体がどれだけ見られているかを示すのに対し、セッションはWebサイトがどれだけユーザーに見られているのかを把握する指標です。またUUとの違いは、ある程度時間が経ってからもう一度Webサイトを訪れた場合は2セッションとカウントされる点です。

Googleアナリティクスでは以下の場合にセッションが更新されます。

・サイト内での行動が30分以上何もないとき
何も操作がないままページの滞在が30分を越えるとそのセッションは切れ、その後新たに訪問するとセッションは2となります。セッションの持続時間はデフォルトで30分と設定されていますが、任意の時間に設定することもできます。

・日付けが変わるとき
23:55にサイトを訪れて1セッション発生しても、0:00になると新しい1セッションとしてカウントされます。

・参照元が変わったとき
例えばサイトAにサイトBから遷移し訪問したあと、30分以内に別のサイトCからサイトAに訪問すると、そのセッションは2となります。

 

以上が「PV」「UU」「セッション」の説明となりますが、はじめのうちはこの3つを混同しがちです。下の図でそれぞれの意味をしっかり理解しておきましょう。

(平均)ページ滞在時間

ページ滞在時間とは名前の通り、そのWebページを閲覧した時間のことです。例えば10:00にページAにアクセスし、次に10:03にページBにアクセスした場合、ページAの滞在時間は3分と記録されます。

このように、次のページとの時間差から滞在時間を算出しているため、最後のページ(=離脱したページ)の滞在時間は、実際は長時間滞在していたとしても、0秒として記録されます。あるいは、1ページだけ閲覧して直帰した場合も滞在時間は0秒となります。

そのため、Googleアナリティクスのレポートにおいて平均ページ滞在時間が0秒と表示されるケースも見られますが、以上のような仕組みを理解しておけば問題ありません。

(平均)セッション時間

セッション時間とは、1回のセッションにかかった時間を意味します。つまりWebサイトでの滞在時間ということです。

1回のセッションにおけるページ滞在時間の合計値とも言えますが、「ページ滞在時間」のところで説明したように、最後のページは0秒として計測されるため、セッション時間もその分、実際の滞在時間よりも短くなるということを覚えておきましょう。

直帰率

「直帰」とは、あるページを閲覧したあとに、サイト内の別のページに移動することなく離脱することを意味し、「直帰率」とはそのページから始まった全セッションのうち、直帰したセッションの割合です。

一般的に直帰率は低い方が良いとされ、コンテンツ内容や他ページへの導線などを見直すことで直帰率の低下を図ります。ただし、そのページがユーザーが求める情報を十分に与えて満足させたことで直帰する場合も考えられるため、一概には言えません。

離脱率

「離脱」とは、そのページでセッションを終えてサイトを離れることを意味します。したがって離脱率とは、そのページのPVのうち、そのページがセッションの最後のページになった(=離脱した)割合を表します。「離脱」数には上述の「直帰」数も含まれます。

全ページの離脱率を追いかける必要はなく、例えばコンバージョンにつながるはずの重要なページの離脱率が高い場合などは、その改善策を検討すると良いでしょう。

目標の完了数&コンバージョン率

多くのWebサイトは、何らかのマーケティング目的をもって運営されています。具体的な目的としては、「商品購入」「お問い合わせ」「資料請求」などが挙げられます。
Googleアナリティクス上でこれらの目的を「目標」として設定しておくと、その達成回数(=目標の完了数)や、セッション数における達成回数の割合(=コンバージョン率)を自動的に算出させることができます。

積極的に使って慣れよう

Googleアナリティクスは、積極的に自分で使ってみることが上達への近道です。まずは今回ご紹介したような主要指標を見ることから慣れていき、いずれはサイト運営において必要なデータを自分で取り出せるくらい、使いこなすことを目指していきましょう。

また、Googleアナリティクスを使い始めると、様々なデータが見えるようになります。もしかしたら「自社サイトのPVが競合より少ない!」などと焦ってしまうこともあるかもしれません。
確かにPVやUUなどは多いに越したことはありませんが、メディアの目的や市場規模によってその基準は大きく異なります。他サイトと比較して右往左往するのではなく、自社サイトにおいて、前月比や昨年比で増えているのか減っているのか、その要因は何だったのか、などを分析し、その情報を以降の運営に生かしてサイトを成長させていく、という考え方を忘れないようにしましょう。