SNSにおけるキャラクター活用、4つのメリットを徹底解説!【事例紹介含む】


こんにちは。サムライトで商品開発などを担当している加藤です。

SNSが生活者に浸透するにつれ、マーケティング活用を模索する企業は増加しています。特に2020年以降、新型コロナウイルスの影響により人々の生活様式が大きく変化したことを背景に、デジタル施策強化の一環としてSNS活用を推進する企業が急速に増加しているのは、疑問の余地がないところです。

しかし、SNS上でライバルとなるのは、競合企業にとどまりません。多くの生活者や、すでに高いソーシャルグラフ(SNS上での影響力)を保有するインフルエンサーが存在し、日々多くの情報やコンテンツが溢れているのがSNSの現実です。

そのため自社の発信に関心を持ってもらう以前に、そもそも投稿がユーザーの目に留まることさえ難しく、SNS運用に取り組んでも期待した成果を得られないことが、多くのマーケティング担当者・アカウント運用担当者を悩ませる課題となっています。

言い換えれば、マーケティング担当者やSNSアカウントの運用担当者は、SNS上で目に留まり、記憶に残り、好感を抱かれ、ファンを獲得できる「武器」を持ち、戦わなければならない時代になっているといえます。SNS上にこれだけ多くの情報が氾濫している時代に、素手で戦ってまぐれ当たりのパンチがヒットすることを期待するのは、宝くじに当たることを期待するような、おおよそ現実的ではない希望的観測と言わざるを得ません。

しかし一体、「武器」になり得るものとは、何なのでしょうか?

本記事では、「武器」のひとつとなり得る「キャラクター」の活用にフォーカスし「キャラクターは本当にSNS上で戦うための武器となり得るのか?」という点を、キャラクター活用の大きく分けて4つある主なメリットから考察します。

【SNSアカウントでのキャラクター活用4つのメリット】

  • 認知・記憶
  • 自分ごと化・拡散
  • 拡張性
  • 資産化

1. 目に留まるため認知されやすくなり、記憶に残りやすい

SNSアカウントに、人格を持つアイコニックな存在であるキャラクターが加わることで、投稿がユーザーの目に留まりやすくなり、記憶にも残りやすくなります。

くわえてキャラクターとブランドをセットで覚えてもらうことができれば、ブランドが想起されやすくなることも期待できます。

実際、2017年に実施された調査では、キャラクターが商品や広告に使われることによる効果として、「目にとまりやすくなる(65.7%)」「意識しなくても、つい視野に入ってくる(56.6%)」「キャラクターを見かけた時に、その企業や商品の広告が思い浮かびやすくなる(54.0%)」といった点が上位を占める結果となっています(参考)。

情報が溢れている現代社会、そしてSNSの世界では、どうしても限界がある人間の注意や記憶を、様々なコンテンツが奪い合っている状態ともいえるでしょう。そうした中で、「目に留まり認知されやすくなること」や「記憶に残りやすくなりブランド想起にもつながること」は、大きなメリットではないでしょうか。

事例:LINE公式アカウントでのキャラクターを通して認知度アップ【プリマハム】

お中元やお歳暮のイメージが強い「プリマハム」は、10〜30代における認知が伸びないことが課題でした。そこで、オリジナルキャラクター「あらびき星人ソップリン」を生み出し、LINEスタンプとして展開。LINE公式アカウントでは、感情移入しやすいマンガコンテンツの配信や、ソップリンと会話をしているかのようなメッセージ設計が行われました。

その結果、ソップリンというキャラクターを介してプリマハムというブランドが広く認知・記憶されたことで、ハム・ソーセージの全体シェアも4位から3位にアップしたそうです。キャラクターがブランドの認知度だけでなく、売上にも一役買った事例です(参考)。

2. ブランドへの親近感が生まれ、話題化や拡散にもつながる

キャラクターはブランドと消費者の間の”通訳”として、企業が伝えたい想いや商品の価値などをソフトにわかりやすく伝えることができます。言い換えると、企業やブランドにとってはキャラクターを介することで「自分たちが伝えたいことを伝えやすく」なります。

生活者から見ると、ブランドに対する心理的距離が縮まり、キャラクターという存在を通してブランドを自分に関係する存在して受け止めやすくなります。これがひいてはブランドへの安心感や信頼感へとつながっていきます。

ただ企業が発信するだけでは話題化しにくいキャンペーンやイベントなどの情報も、「キャラクターがキャンペーンをしている」という見え方にすることで生活者が自分ごと化して話題にしやすくなり、SNS上での拡散も起こりやすくなります。

事例:おなじみのキャラクターにより愛されるアカウントに【ニッカウヰスキー】

ニッカウヰスキーのTwitterアカウントでは、ボトルデザインに採用されている「ヒゲのおじさん(KING of BLENDERS)」がそのままアカウントのキャラクターとなり情報を発信。SNSアカウントのために開発されたキャラクターではありませんが、多くの大人が一度は目にしたことがあるヒゲのおじさんが、独特の軽妙な口調でウイスキーやレシピについて解説してくれるため、親しみとともに情報がすんなりと入ってきます。

52万を超えるフォロワーを有し(2021年2月時点)、リツイートやいいねなどのエンゲージメント率が高いことからも、ユーザーに愛されているアカウントであることがうかがえます。

3. 一貫したイメージやメッセージを、複数のプラットフォームをまたいで発信することが容易

SNSと一口に言っても、プラットフォームによって世界観やクリエイティブフォーマット、ユーザーの利用目的はさまざまです。

そのためプラットフォームごとにアカウントや投稿を最適化させた結果、それぞれのアカウントが分断され、同じブランドイメージや一貫したマーケティングメッセージを体現できない状態になってしまっているケースもよく見受けられます。

このようなケースにおいて、そもそものブランド設計やマーケティングメッセージの明確化が必要なのは言うまでもありません。しかし、プラットフォームに左右されない、コミュニケーションの軸を設けることができれば、プラットフォームごとの最適化と、一貫したブランドイメージやマーケティングメッセージの発信の両立が容易になります。

キャラクターは、まさにそのコミュニケーションの軸に最適です。単に見た目だけではなく、性格や背景など細かな設定までブランドの体現者として緻密に設計されたオリジナルキャラクターを起用すれば、よりメリットが生まれやすくなります。

ブランドの体現者として適切なキャラクターがデザインできれば、一貫したブランドイメージやマーケティングメッセージを各SNSプラットフォームをはじめとする様々なプレイスメントに最適な形にカスタマイズしつつ、継続的に発信することができます。

事例:オリジナルキャラクターがブランドの顔となり各種SNSで活躍【ローソン】

ローソンは2010年、Twitterアカウント用のキャラクターを公募し、オリジナルキャラクター「ローソンクルー♪あきこ」が誕生。その後、InstagramやLINEの公式アカウントでもあきこちゃんがブランドを代表するキャラクターとして活躍しており、2020年末には、VtuberとしてデビューすることをYouTube動画で発表しています。

・Twitterアカウント:https://twitter.com/akiko_lawson
・Instagramアカウント:https://www.instagram.com/akiko_lawson/
・LINE公式アカウント:http://line.naver.jp/ti/p/%40lawson

事例:派生キャラクターへの展開によりファン層を拡大【Ponta】

共通ポイントプログラム「Ponta」のオリジナルキャラクターである「Ponta」。Twitterではキャンペーン情報やコミカルなつぶやき&イラストを、InstagramではぬいぐるみとなったPontaの日常を伝える写真を投稿しており、Pontaというキャラクターで一貫性を持たせながら、それぞれのプラットフォームに適した形でコミュニケーションを図っています。

また、オリックス・バッファローズのスポンサーでもあるPontaは、「バファローズ☆ポンタ」というTwitterアカウントも運用しています。こちらはバファローズに関するオリジナルの投稿のみで展開され、上記のPontaアカウントと連動することはほとんどありませんが、Pontaという愛らしいキャラクターが野球ファンを引きつけ、Pontaアカウントに迫るフォロワーを獲得しています。

・Ponta Twitterアカウント:https://twitter.com/Ponta
・Ponta Instagramアカウント:https://www.instagram.com/ponta_insta/
・バファローズ☆ポンタTwitterアカウント:https://twitter.com/bs_ponta

4. コンテンツやキャラクターがブランドの資産になる

キャラクターには、様々な表現を柔軟に行いやすいという特徴があります。そしてうらやましいことに、老化しません。たとえば、あの国民的アニメ、サ◯エさんのキャラクターは果たして何年あの見た目のままでしょうか…。

本題に戻りますが、キャラクター自身も、それを活用したコンテンツも、ブランドの資産として半永久的にストックし、活用し続けることが可能であり、このことはキャラクターの大きなメリットです。また、オリジナルキャラクターを開発すれば、既存の有名キャラクターを利用する際の権利や契約およびそれにかかるコストといった課題もクリアできます。

さらに長期的に運用をしていくことで、次第にキャラクター自体が資産価値を持つまでに成長する可能性もあり、グッズ展開や、他社のキャラクターなどとのコラボレーションを行うことができれば、活躍の幅がぐっと広がります。

キャラクターが、自社のSNSにとってだけではなく、ブランドにとって、あるいはブランドを支持するファンにとって必要不可欠な存在となる…ということも、決して夢物語ではありません。

事例:キャラクター自体がブランド資産となり多方面で活躍【チキンラーメン】

日清食品のチキンラーメンは、おなじみのキャラクター「ひよこちゃん」としてTwitterアカウント(2012年〜)やInstagramアカウント(2015年〜)を運用。ひよこちゃんの日常や、商品に関する情報発信などを行っています。

長年にわたり同一のキャラクターを起用し続けることで、高い認知度や親近感につながっている好例と言えるでしょう。

ひよこちゃんはその人気の高さから、数々のグッズ展開やコラボレーションを行っています。例えば、空前の大ヒットを記録した「鬼滅の刃」とのコラボ企画は大きな反響を呼び、普段カップ麺を購入しない人たちも商品に手を伸ばしたそうです。


そのほかにも人気ゲームや知育玩具など、キャラクターがあるからこそ実現する様々なコラボレーションでその存在感を高めています。

SNSでのキャラクター活用を成功させるためのポイントとは?後編に続く

ここまで、キャラクターがもたらすメリットについて、大きく4つの観点から考察してきました。アカウントも、投稿も、企業からの発信も溢れているSNSの世界で「戦うための武器」として、キャラクターが有用たり得る、というイメージは湧いたでしょうか?

とはいえ、キャラクターも万能ではありませんし、オリジナルキャラクターを開発すれば、成功が保証されるわけでもありません。他のマーケティング施策と同様、魔法の杖ではないのです。したがって成功確率を高めるためのポイントをおさえ、目的に沿った正しいアプローチで活用することが必要です。

そこで次回の記事では、SNSでのキャラクター活用の成功確率を高めるポイントについてご紹介します。そちらもあわせてご覧いただき、SNSにおけるキャラクターを活用したコミュニケーション手法について理解を深める機会としていただけますと幸いです。

記事はこちら:
SNSでキャラクター活用を成功させる方法とは?7つのポイントを徹底解説

サムライトでは人気のSNSクリエイターと一緒にキャラクターを開発し、キャラクターコンテンツを効果的に活用できる「SNS×オリジナルキャラクター運用支援サービス」を提供しています。マーケティングやブランディングに貢献する成果創出に向けた、SNSにおけるキャラクター有効活用に興味をお持ちの方はぜひお気軽にご相談ください!

サムライトの「SNS×オリジナルキャラクター運用支援サービス」を見る>>


ABOUTこの記事をかいた人

加藤 真守

システム会社のセキュリティエンジニア、コンサルティング会社の社内システム・マーケティング・広報担当マネージャーを経てサムライト入社。2018年4月より奄美大島に移住し、現在は広報・PRを担当するブランドコミュニケーション室・商品開発を担当するプロダクトディベロップメントDiv・奄美大島支社を統括。