LINE社直伝!マーケティング担当者が知っておくべきLINE公式アカウントの最新動向と運用のヒント


こんにちは!サムライトの北澤です。

圧倒的なユーザー規模と高いアクティブ率を誇るLINEでは、昨年から無料でLINE公式アカウントを開設できるようになったこともあり、マーケティングにLINEを活用する企業が増えています。しかし、具体的にどのように運用すれば成果をあげられるのか分からない、といった課題を抱えるマーケティング担当者も少なくありません。

そこで今回は、LINE株式会社の水谷 拓樹氏に、LINE公式アカウントの最新動向や運用のポイントを聞いてみました。

LINE公式アカウントの基本を解説する前回記事と併せてぜひご覧ください!
「LINE活用のススメ――LINE公式アカウントの運用の前に理解しておくべき7つの基本」

新型コロナをきっかけにLINE公式アカウントの活用が増加

北澤:本日はよろしくお願いいたします!
早速ですが、2020年1月にLINE@とLINE公式アカウントが統合されて注目を集めましたが、企業からの反響はいかがでしたか?

水谷氏:以前は無料で開設できるLINE@と、毎月数百万円かかるLINE公式アカウントが存在し、料金体系やオプションサービスなども複雑で分かりにくい面があったのですが、このたびLINE公式アカウントに一本化されて、お客様にとってもだいぶ分かりやすく整理されました。それもあってか、大手企業様だけでなく、中小企業様や店舗様などによるLINE公式アカウント開設が大きく増えています。

さらに、LINEだからこそ提供できる機能の強化に取り組んでいるところで、例えば今年7月には、ユーザーから無料でLINE公式アカウントに電話ができる「LINEコール」というサービスもリリースしました。まだブラッシュアップ段階ですが、普段ユーザーが使っているこうした機能をLINE公式アカウントでもご提供しメリットを増やすことで、幅広い企業様からご支持いただけるようになってきているのかなと思っています。

北澤:新型コロナによる影響や変化などはありましたか?

水谷氏:感染拡大防止の観点から、多くの企業様が顧客との直接対面の機会を持てず、コミュニケーションがとりにくい状況が続く中で、例えば「マスクが品切れになった」「新しい衛生用品を入荷した」あるいは「今は来店を控えてほしい」といった重要な情報をどうやってお客様に伝えるか、という課題が生まれました。そんなときに、LINE公式アカウントを改めて活用することでお客様とのコミュニケーションを図ろうと考える店舗様や企業様が多かったようです。

また、飲食店等のデリバリーやテイクアウト対応が増えてきたタイミングで、LINE公式アカウントのプロフィールにデリバリーやテイクアウトの受付情報を表示できる機能を実装したので(参考)、そうした新機能を積極的に活用される店舗様も多くいらっしゃいましたね。

新型コロナによって社会が大きく変わってしまいましたが、状況に応じて変化していかないといけないと考える企業様や店舗様にはうまくご活用いただけているのかなと思います。

<POINT>

  • LINE公式アカウントとLINE@が統合され、無料でアカウント開設が可能に
  • 対面接客に代わるコミュニケーション手段としてLINE公式アカウントの活用が増加
  • 「LINEコール」や「デリバリー/テイクアウト情報」など便利な機能も随時追加

ユーザーに好かれるLINE公式アカウントとは

北澤:アカウント数が増えているということですが、どのような運用をしているアカウントがユーザーに好まれると思いますか?

水谷氏:LINE公式アカウントはすぐに友だちになる(フォローする)こともできると同時に、簡単にブロックできるようにもなっています。その中で、長く友だちでいてもらうために重要なのは、アカウントがユーザーにとっていかに便利か、いかに生活に寄り添っているか、だと思います。「このアカウント便利だな」「友だちになっておけば良い情報をもらえるな」と思ってもらう体験をいかに提供できるかが大きなポイントですね。

例えば、ECサイトで売り切れになっている商品に対して「入荷待ち」のチェックを入れておくと入荷時にLINE公式アカウントから通知が届いたり、あるいは入店予約時刻の1時間前にリマインドのメッセージが届いたり、そうしたユーザーが求めている情報をいち早く届けるアカウントだと、ブロックされずに友だちでいてもらえるのではないかと考えています。

わざわざWebサイトにアクセスしなくてもLINE上で簡単に手続きできるといった利便性もユーザーにとって大きなベネフィットになるので、友だちを長く続けてもらえるのではないでしょうか。

北澤:確かに私も宅急便の時間指定はいつもLINEで完結させています(笑)
そのような、友だちにとってベネフィットのあるアカウントにするためにはどうすれば良いでしょうか?

水谷氏:マーケティングの基本ではありますが、友だちになってくれたユーザーをきちんと理解することが非常に重要だと思っています。どうしても友だちの総数に関心が向きがちですが、友だちになってくれたユーザーの性別や年代といった属性はもちろんのこと、例えばアンケートなどを実施して、どのような商品に興味があるのかなどを把握して情報ニーズを推察し、メッセージを最適化したり機能を強化していく、といったアクションが、アカウントを成功させるためには不可欠だと思います。

また最近では、友だちになった経路も分析ツール上で把握できるようになりました。広告やスタンプから友だちになったのか、オーガニックで集まったのか、などによっても友だちのインサイトは異なってくると思いますので、そうした情報に基づいてアカウントを運用していくのが良いのではないでしょうか。

北澤:弊社が支援している企業様でも、チャットボットを利用してユーザーのニーズや課題感をアンケート形式で調査して、それに応じてセグメント分けをしてメッセージを出し分ける運用によって、着実にアカウントをグロースさせてきています。
メッセージのクリエイティブに関しては、成果をあげるためのポイントなどありますか?

水谷氏:LINE公式アカウントでは様々なメッセージフォーマットを提供しており、テキストはもちろん、画像、動画などにも対応しています。いずれも、ユーザーにとっては気軽に読める/見られる反面、簡単に読み流すこともできてしまうため、いかにユーザーに目を留めてもらい、関心を引けるかが重要です。

その際にポイントとなるのが、スマホ上での“縦長”のトーク画面をいかにうまく活用するかだと思っています。画面下部に設置できるリッチメニューも含めた縦長のトーク画面を意識して作られたクリエイティブは実際にブロック率が低かったり、CTRが非常に高いといった傾向があります。

LINE公式アカウントの分析ツールでは、単にクリック数等だけでなく、メッセージ内の吹き出しが100%表示されたインプレッション数なども計測できるため、実際どれだけ友だちに見られているかを詳しく把握できます。これらのデータに基づいて、どのようなクリエイティブだと反応が良いのかPDCAを回していくことも大切だと思いますね。

<POINT>

  • ユーザーにとって利便性の高いアカウントはブロックされずに友だちを続けてもらいやすい
  • 友だちのことを深く理解した上で、メッセージ内容や機能を最適化することが重要
  • スマホでの縦型のトーク画面を生かしたクリエイティブでCTR向上&ブロック率低減

友だち獲得に有効なLINEスタンプも低予算から利用可能に

北澤:LINE運用で成果をあげていくためには友だちの数を増やすことも必要ですが、うまく友だちを獲得するポイントをお聞かせください。

水谷氏:一定規模の友だちを集めるにはスタンプや広告の活用が基本となりますが、ターゲットによって最適な施策は変わってきます。これさえすればOKという唯一絶対の方法はありませんが、LINEならではのサービスであるスタンプに関しては、現在弊社としても力を入れているところです。

以前からご提供しているスポンサードスタンプは、大規模なリーチを獲得するのに適したメニューで、1000万円以上の予算が必要です。これに対して、ダウンロードごとに課金する「CPD(Cost per Download)スタンプ」というメニューも今年の春に導入しました。こちらは200万円から出稿可能ですので、「大型プロモーションを展開するほどの予算はない」「そこまでの規模は求めていない」といった企業様でも、比較的予算を抑えた形でスタンプ施策に取り組みやすくなりましたので、そうした面では友だちを獲得しやすくなっていると思います(参考)。

北澤:使われやすいスタンプの傾向などありますか?

水谷氏:みなさんも日頃使っていただいて実感があるかと思いますが、「了解」や「OK」、「お辞儀」など、ライトな会話のやりとりに使いやすいスタンプは、性別も年齢も関係なく使われやすいですね。あとはその時代の流行語や、「ぴえん」のように女子中高生が使うような言葉なども取り入れてバリエーションを用意していただくとダウンロードされやすかったりします。

キャラクターデザインの面では、LINEの世界観にマッチする“ゆるかわ”な動物のキャラクターなどがかなり増えています。そうしたスタンプも、年齢層を問わず幅広く使っていただけるのでオススメです。

もちろん、商材やブランドのターゲット層に多く使ってもらうことがもっとも大切ですので、男性向けの商材の場合は、男性が使っても恥ずかしくない、もう少しスマートなクリエイティブを意識していただくのが良いと思います。

LINEスタンプはユーザーがダウンロードしたあとに長く使っていただくことで、そのキャラクターやブランドに対する愛着が湧いてくるという点が大きな強みですので、ターゲット層に愛されるスタンプを提供することが重要なポイントですね。

<POINT>

  • 従量課金型のCPDスタンプなら低予算でもスタンプの利用が可能
  • トレンドやターゲット層の嗜好を考慮したスタンプデザインがポイント

LINE公式アカウントの運用を成功させるために必要なコト

北澤:サムライトでは、LINE公式アカウントとLINE広告をセットで運用支援させていただくケースもあるのですが、広告の新機能である「クロスターゲティング」について詳しく教えてください。

水谷氏:クロスターゲティングは、LINE公式アカウント、LINE広告、LINEセールスプロモーションなど、各LINEプロダクトにおけるメッセージ配信や広告配信などから取得したデータを、各サービスを横断して広告配信に活用できる機能で、昨年12月にリリースされました。

企業様にとって、LINE活用におけるマーケティング資産には、LINE公式アカウントの友だち、そしてその先にあるデータがあります。それらをもっと有効活用していただきたいという考えから作られたのが、クロスターゲティングです。(画像引用元

北澤:具体的な活用方法を教えていただけますか?

水谷氏:例えば、いつもメッセージを読んでくれるユーザーとは、すでにきちんとコミュニケーションがとれている状態と言えますが、あまりメッセージを読んでいなかったり、ブロックしてしまったユーザーの関心をどうしたら改めて引くことができるか、といった課題を感じている企業様もいらっしゃると思います。そんなときに、メッセージ未開封のユーザー、あるいはブロックしてしまったユーザーのオーディエンスデータに対してピンポイントでLINE広告を配信し、再度アプローチすることができます。

リリースしたばかりのため、機能はまだ限定的ですが、弊社としても重視している目玉機能ですので、今後はレポーティング機能を実装したり、連携できるLINEプロダクトを拡大したりと、企業様にとって価値あるプロダクトに育てていきたいと考えています。

北澤:それでは最後に、これからLINE公式アカウントを運用していく企業様、あるいはもっと効果を上げていきたいという企業様に向けてアドバイスをいただけますか?

水谷氏:冒頭でもお話ししましたように、LINE公式アカウントの数自体は非常に増えており、多くの企業様に活用していただいていますが、それに伴いアカウントの差別化が難しくなってきました。ユーザーから見て、どのアカウントが便利なのか、自分のニーズや趣味嗜好に合うのはどのアカウントなのかが判断しづらくなっている状況だと思います。

そのような中で企業様がアカウントを運用し、成果を上げていくには、ただ漠然とユーザーにメッセージを届けるのではなく、メッセージのクリエイティブひとつとっても戦略的に構築し、またメッセージの先にどれだけ価値ある情報を提供できるか、といったアカウント運用全体、配信全体の設計が非常に重要になってくると考えています。

今はチャットボットなどを活用することで、配信作業をある程度自動化することも可能ですが、その前提にあるアカウント運用戦略や配信設計、そしてメッセージクリエイティブひとつひとつに魂を宿していくことが大切で、一番時間がかかるし難しい部分でもありますが、そこにしっかり向き合うことが成功への近道だと思います。

弊社としても、サムライトさんのような代理店さんにもご協力いただきながら、より良い運用方法やノウハウを企業様にお届けしていきますので、ご期待いただけたらと思います。

北澤:本日は貴重なお話をたくさんありがとうございました!

<POINT>

  • クロスターゲティングを活用をすれば、メッセージ配信への反応に応じてターゲットを絞った広告配信が可能に
  • アカウントの差別化やグロースには、アカウント運用方針やメッセージクリエイティブの戦略的な設計が不可欠

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サムライトはLINE公式アカウント及び付帯サービスに関する正規販売代理店として日々、LINE公式アカウントの最新動向や機能についてLINE社と情報連携して、クライアント企業様の運用支援に活かしています。

またInstagramやTwitter、YouTubeといった他のソーシャルメディアの運用支援実績が豊富だからこそ、LINE公式アカウントならではの強みを生かした運用も可能です。

これからLINEを活用してみたい企業様も、現在運用中のアカウントに課題を感じている企業様も、ぜひお気軽にサムライトまでご相談ください!

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ABOUTこの記事をかいた人

北澤 孝祐

大手SIerのソリューション営業を経て、2019年にサムライト入社。 アカウントエグゼクティブ部門のプランナーとして、ソーシャルメディア領域を中心に多くの企業様のデジタルマーケティングプラニングを支援。 長野県出身で趣味は野球とゴルフ。