生活者がシームレスに買い物できる世界は、広告主の理想です。スマートフォンの発案からはじめ、いまは画面上の写真に入っているものをタップして購入できる機能に至りました。その業界に革命を起こすサービスは、Instagramのショッピング機能。
今回、話題沸騰のInstagramのショッピング機能をご紹介します。 システムの基礎をはじめに、海外実績や活用法などを解説します。
目次
Instagramのショッピング機能とは?
Instagramのショッピング機能は、Instagramにおける写真をショーウィンドウに変え、写真をワンタップするだけで商品案内が表示される機能です。
Instagram Shoppingのローンチから5ヶ月が経った時点では、ビジネスアカウントが1,500万から2,500万まで増加し、Instagram利用者の2億人(約2割)が毎日ビジネスアカウントにエンゲージしているようです。
また、Instagram Storyでのショッピング機能はAdidas社やLouis Vuitton社などの一部の企業に解禁されています。そのうち、Instagram社は他社にもこの機能を展開するでしょう。
Instagramのショッピング機能の仕組み
ショッピング機能の流れですが、写真の商品をタップして、Instagramの中の別画面に飛ばします。そこで、商品の詳細が表示されます。商品を買いたい時点では、リンクをクリックして、外部サイトに飛びます。
Instagramのショッピング機能を使うべき理由
Instagramは、ほかのプラットフォームができないエンゲージメント手法もあり、理想的なターゲット層もあります。
1. Instagramのターゲット層
Instagramの生活者はおよそ8億人います。そのうち、日本人のユーザーが2,400万人であり、プラットフォームを使う国で7位にランクインしています。
Instagramのもうひとつの特徴は、生活者の68%が女性であること。日本の場合、20代のターゲット層が中心になります。しかし、日本市場には、10代~30代と40代~60代のユーザー数を比較すると、後者よりも前者のほうが約20%多いという特徴があります。このため、40代以降の男性ユーザーもターゲット層とすることができます。
2. モバイルファーストプラットフォーム
Instagramユーザーの25%がスマートフォンでサービスを使用しています。サイトのインターフェースもモバイルを意識しているモデルですので、テクノロジーに慣れている層です。
3. ファッション
女性の生活者とスマートフォンを使っている ユーザーが多いことを含めて、Instagramでファッションアカウントをフォローしている人が2億人です。要するに、Instagramを使う生活者の4分の1がファッションに興味を持っています。ファッション領域の広告主にとって、リーチしたいターゲット層を有効的に獲得できます。
結論
20代の女性でファッションに興味を持っている生活者が、プラットフォームを使用している中心層となっています。
また、Shoppingのおかげで、最初の集客だけではなく、製品を購入するためが導線を具体化できました。そのため、Instagramも電子商取引において、以前よりも、もっと実践的なプラットフォームになりました。
Instagramのショッピング機能を導入する方法
Instagram Shoppingのアカウントは、Instagramで登録するのではなく、FacebookやShopifyなどのプラットフォームと連携する必要があります。満たさなければいけない条件は、下記のようです。
• ビジネスで、提供者契約とコマースポリシーに準拠した物理的な商品を販売している
• Instagramアカウントがビジネスプロフィールに移行済みである
• Instagramアカウントが所有権のあるFacebookページと接続されてい
• Facebookページでショップセクションを追加もしくはビジネスマネージャでカタログを作成している(あるいはBASE、EC-Cubeなど、カタログ作成をサポートする国内事業者のECプラットフォームと連携する)(【引用】https://ja.newsroom.fb.com/news/2018/06/instagram_shopping/)
上記の要件が満たされると、アカウント審査が行われ、製品のタグ付けができるようになります。
Instagramのショッピング機能の実績
Instagramのショッピング機能は、日本に上陸したばかりですので、まだ事例や実績が少ないです。そのため、海外の実績をベースに、Instagramのショッピング機能が適切な商品および使い方を解説します。
キャンペーン結果の実績
このセクションでは、複数社がInstagramのショッピング機能を使用した実績をご紹介します。
1. Natori社
Natori社というカバンを販売する企業ですが、電子商取引のサイトへのInstagramの流入が1,416%増加。
2. Magnolia Boutique社
Mangnolia Boutique社というファッションを開発・販売する企業の場合、Instagramによる収益が20%増加。
3. SpearmintLOVE社
SpearmintLove社は、赤ちゃんのグッズの販売社です。InstagramのStory機能を生かして、Instagramによる流入が13%アップ。
4. Native Union社
Native Unionというユーティリティーを販売する会社がInstagramのStory機能を使った結果、Instagramによる流入が2,666%アップ。
5. Lulus社
Lulus社というファッションを開発する企業がInstagram Storyを使うと、製品の注文数が1,200件増加。
6. TYME社
TYME社はヘアケア製品を販売する企業ですが、Instagramによる流入が44%増加。
その他のクリエイティブ
下記のInstagram Storyですが、具体的な実績が公開されていませんが、ファッション領域以外のShopping投稿のクリエイティブとして、参考になります。
1. Incy Store社
Incy Storeという家具を販売する店は、Instagramのシッピング機能を使用し、商品にタグをつけました。
2. Mahabis社
Mahabis社という靴を作って販売する会社のショッピング機能を活用する方法はこちらです。
日本国内事業者のInstagramのショッピング機能への意見
下記に、日本でIntagramのショッピング機能のテスト時に参加していた企業のマーケティング責任者による発言を記載します。果たして、日本のビジネスリーダーはInstagramについてどう考えているのでしょうか。
「ショッピング機能によって、ユーザーが知りたい、欲しいというモチベーションが高い状態のときに情報を提供できるようになることで、今まで以上に商品を知ってもらえたり、ブランドの世界観を伝えたりすることができるようになると感じています。また、これまでリーチできていなかった潜在顧客との接点を持つという意味でも期待しています。」
株式会社ベイクルーズ EC統括 セールス&サービス Div. デジタルコミュニケーション Sec. 馬來 真知子氏「Instagramは、これまで認知・興味形成に強みがあると感じていましたが、ショッピング機能で購入まで繋げることで、顧客によりシームレスな体験を提供できるようになり、コミュニケーションをより強固にできると確信しています。」
株式会社I-ne BOTANIST ECセールス部 部長 小松 悠氏「minneはもとより多くの作家にとっても、Instagramはすでにブランディングや集客の重要な役割を担っています。Instagramで紹介した作品に対して “どうすれば買えますか” という購入者からの問い合わせも多かったため、ショッピング機能は作家・購入者双方の利便性を高めてくれるソリューションであると期待しています。」
GMOペパボ株式会社 minne事業部 事業部長 阿部 雅幸氏「Instagramはブランディングの形成という位置付けでしたが、ショッピング機能により、ひとつの販売チャネルとして活用できることを期待しています。商品の詳細ページから購入リンクへの遷移率は思った以上で、ユーザーの購入モチベーションと、ショッピング機能のユーザビリティの高さを感じました。」
株式会社スタートトゥデイ ZOZOTOWN EC事業本部EC推進部 SNS担当 井上 沙紀氏(【引用】https://ja.newsroom.fb.com/news/2018/06/instagram_shopping/)
Instagramのショッピング機能を活用するポイント
Instagramのショッピング機能を活用するためにどうすればいいのかをサムライト ソーシャルメディア局 局長に伺いました。
質問1: 運用前に準備しておくと良いことはありますか?また、アカウントのフォロワーはどれくらい必要ですか?それとも、関係ないですか?
そもそも、Instagramのショッピング機能を使うには、条件を4つクリアしなければけません。
- Facebookの提供者契約とコマースポリシーに該当する物理的製品を販売していること
- Instagramアカウントがビジネスプロフィールになったこと
- そのInstagramアカウントがFacebookページと連携していること
- Facebookページでショップセクションを追加したのか、ビジネスマネージャーでカタログを作成したこと
この4つの条件さえ揃えば、Instagramのショッピング機能を活用できます。そのため、フォロー数が必須条件ではないです。とはいえ、フォロワーがいないと、大きな成果が出ないので、フォロワーが多ければ多いほど望ましいです。
質問2: オススメする運用方法を教えてください。
ショッピング機能を導入すると、データのインサイトが増えます。生活者がどこに飛ばすとか、InstagramのCTR改善など。そのため、インサイトを活用し、PDCAを回せばいいと思います。投稿ごとに結果を見て、次の投稿に改善点を活かせばいいと思います。
Instagramのショッピング機能が紐付けられている写真では、ふたつのパターンはあります。ひとつは、モデルと製品を組み合わせること。もうひとつは、製品をそのまま使うこと。A/Bテストを実施し、企業のブランドにとってどちらかがいいのかを試したほうがいいと思います。
ブランドの世界観を崩さないことがもっとも重要です。ショッピング機能が紐付けられている投稿は通常の投稿と大きく違ったり、写真の飛ばし先はInstagramのクリエイティブと違ったりすると、生活者がギャップを感じてしまい、離脱してしまうかもしれません。これをリカバリーできる手のひとつは、製品撮影の場合、Webサイト用の写真とInstagram用の写真を撮ることです。
質問3: 製品を関連付ける際の注意点はありますか?
結論から言うと、「(タグを)付けすぎたらアカン」です。
ブランドの世界観を守らないといけません。ショッピング機能に紐付けられている写真が写真の上にアイコンも表示されます。全投稿がこうなってしまうと、購入に至りづらくなり、あまりよろしくないです。そのため、ショッピング機能のある投稿、そうでもない投稿のミックスが大事です。
理想はひとつの商品が写っている写真で、ひとつのタグです。しかし、同じ写真に3~5個のタグを紐付けても問題ないです。
最後に
いかがでしょうか?
われわれの買い物は日々に進化しています。 Amazonや楽天のようなサービスによって、店舗に行かなくても買い物できる世界になりました。また、SNSを通して最適なショッピングのUXが実現し始めています。Instagramのショッピング機能をうまく活用すれば、生活者と新しい出会いを創ることができ、時代の流れに乗るのではないでしょうか?
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