企業のYouTubeチャンネルの開設から初期設定におけるポイントをまとめて解説!


こんにちは!サムライトYouTube lab.の川田です。

国内MAUが6,500万人を超え、私たちの日常生活の中に着実に浸透してきているYouTube。

こうした盛り上がりを受け、マーケティング目的でYouTubeチャンネルを活用する企業も急増する中、最近はプロではなくても簡単に動画を撮影・編集できる環境が整ってきていることから、YouTubeチャンネルを自社内で運用するケースも多く見られるようになってきました。

そこで本記事では、これから企業内でYouTubeチャンネルの運用を担当される方に向けて、YouTubeチャンネルの開設および各種設定の流れとポイントをご紹介していきます。

YouTubeチャンネルの開設

まずは、初めてYouTubeチャンネルを作成する際の3つのステップとそれぞれのポイントを解説します。

1. ブランドアカウント(チャンネル)を作成する

任意のGoogleアカウントに紐づける形でYouTubeチャンネルを作成しますが、YouTubeチャンネルには「デフォルトのチャンネル」と「ブランドアカウント」の2種類あります。

■デフォルトのチャンネル:Googleアカウントの名前やアイコンがそのままチャンネルに使用される

■ブランドアカウント:1つのGoogleアカウントで複数のチャンネルを作成でき、任意のチャンネル名を設定可能。複数人によるチャンネル管理もできる。

 
企業としてYouTubeチャンネルを開設する場合は、チャンネル名の自由度の高さや今後の拡張性を考えて、必ず「ブランドアカウント」で作成しましょう。

2. チャンネル名を設定する

ブランドアカウント作成時に、ブランドアカウント名(=チャンネル名)を入力します。後から名前を変更することも可能です。

チャンネル名はチャンネルのコンセプトを端的に表しつつ、キャッチーで覚えやすいネーミングが理想的です。

YouTubeを含むソーシャルメディアは基本的に、一般ユーザー同士がつながるツールであり、企業アカウントはどうしてもユーザーとの間に距離ができてしまう傾向にあります。そのため、YouTubeの中に自然になじみ、ユーザーに受け入れてもらうことを目指して、敢えて企業名やブランド名を含めないチャンネル名にするケースも最近は多く見られます。

また、チャンネルが育ちファンの間で定着するまでは、チャンネル名を変更して最適化を図っても構いません。

3. 電話番号による認証を行う(アカウントの確認)

YouTubeではスパムや不正行為を防ぐために、電話番号を使用して身元確認を行っています。

アカウント確認をしないと以下の機能が使えないため、チャンネルを開設したら、YouTube Studioの「設定」から電話番号による認証を済ませておきましょう。

・15分を超える動画のアップロード
・カスタムサムネイルの追加
・ライブ配信
・Content IDの申し立てに対する再審査請求

YouTubeチャンネルの初期設定

チャンネルを開設できたら、コンテンツの運用を始める前に各種初期設定を進めていきます。今回は必ず設定しておいていただきたい4つの項目をご紹介します。

チャンネルのアイコンとバナー画像を作成・設定する

チャンネルのアイコン(プロフィール画像)は、常にチャンネル名とセットで表示されます。表示サイズはあまり大きくないため、チャンネルらしさが伝わる視認性の高いデザインを目指しましょう。

バナー画像(チャンネルアート)は、チャンネルのホームページでもっとも目を引く位置に表示され、動画を通してチャンネルに興味を持ったユーザーがチャンネルを訪れた際にまず目にするものです。チャンネルの世界観を表現する数少ないビジュアルパーツであるため、ユーザーにアピールするためにしっかりと作り込みたいものです。

チャンネル名やコンセプト、キャッチフレーズなどとともに、世界観を表現するオリジナルクリエイティブを作成しましょう。

注意点として、バナー画像はTVサイズ(2560×1440)で作成してアップロードしますが、デバイスによって表示範囲が異なるため、下の図を参考に重要な要素は中央(SAFE AREA)におさめるようにします。

概要を入力する

そのチャンネルについて”自己紹介”するのが「概要」です。文章の冒頭60字程度は、検索結果でも表示されます。

概要欄は必ずしもすべてのユーザーが見る訳ではありますが、チャンネルに対してある程度関心をもったユーザーが、もっと知りたいと思って概要欄をクリックすることを想定し、下記の内容を中心に、端的にまとめるのが良いでしょう。

・企業やブランドの紹介(何者なのか)
・チャンネルのコンセプト(何を目指しているのか)
・チャンネルにおける提供価値(どのような動画コンテンツを配信しているのか)
・チャンネル運用ポリシー(コメントバックの有無など)

リンクを設定する

概要と同じ入力欄では「リンク」を5つまで設定でき、概要欄の下部やページ上部のバナー画像の右下に表示させることができます。

YouTubeチャンネルを通してファンを獲得・育成したのち、商品の購入などマーケティングの成果地点へと導くためには、その導線をしっかり用意しておくことが必要です。

サービスサイトやECサイト、各種SNSアカウント、メルマガ登録ページなど、目的に応じて適切なリンクを忘れずに設定しておきましょう。

チャンネルキーワードを設定する

動画コンテンツでキーワードを設定するように、チャンネル自体にもキーワードを設定することができます。

YouTube SEOの観点から、そのチャンネルがどのような情報やコンテンツを提供するチャンネルなのかを、YouTubeの検索システムにしっかり伝えることが大切であり、チャンネルキーワードがその重要な役割を担います。

キーワード選定の考え方としては、チャンネルのジャンルやコンセプトに沿っており、かつ検索ボリュームの多いワードを3つ程度選ぶと良いでしょう。

▽キーワードはYouTube Studioの「詳細」から設定

YouTubeチャンネル運用時の各種設定

チャンネル開設時の初期設定については以上でご紹介してきた通りですが、YouTubeチャンネル内にある程度の本数の動画コンテンツが蓄積されてきたら、ユーザー体験を向上させるためにYouTubeチャンネルをさらに整備していくことが重要です。最後にその4つのポイントについてご説明します。

再生リストを作成する

「再生リスト」は、特定のテーマに沿って複数の動画コンテンツをプレイリストとしてまとめることができる機能です。

ユーザーにとっては、関心のあるテーマのコンテンツをまとめて視聴できるというメリットがあります。企業側にとっても、チャンネル内の動画を次々に視聴してもらい、チャンネルからの離脱を防ぐことができるという大きな利点があるため、YouTubeチャンネル運用において再生リストの運用は重要な要素です。

実際に再生リストを作成する際は、検索結果や関連動画にも表示される可能性を高めるために、再生リストの1本目には高いパフォーマンスをあげている人気の動画を選び、SEOも意識した魅力的なタイトルと説明文を設定することも不可欠です。

またチャンネル立ち上げ初期は特に、関連動画に表示されやすくなるように、他のチャンネルの人気動画を再生リスト内に加えるというテクニックもあります。

そして再生リストが完成したら、個別の動画コンテンツの説明文やカード、終了画面でも積極的に再生リストに誘導しましょう。

動画スポットライトを設定する

チャンネルのホームページ(トップ画面)のページ上部には、「動画スポットライト」として任意の動画をフィーチャーする機能があり、チャンネル登録者向けと新しい視聴者向けで、表示する動画を変えることができます。

すでにチャンネル登録しているユーザーに対しては公開したばかりの新作動画などを、新しい視聴者に向けてはチャンネルそのものを紹介する動画やこれまででもっとも反響のあった代表的なコンテンツを、それぞれ指定すると良いでしょう。

注目のセクションを設定する

ホームページでは、「注目セクション」として最大10個のセクションを設定できます。

様々なコンテンツが蓄積されてきた頃に、ジャンル別やシリーズ別、キャスト別などでセクションを作成し動画や再生リストをグループ化することで、ユーザーが見たいコンテンツを見つけやすくなり、チャンネル内の回遊率の向上が期待できます。

内容を端的に表すわかりやすいセクション名をつけ、チャンネル登録を多く獲得している人気の動画ほど上位に並べることがポイントです。

▽メンズファッション通販サイトのチャンネルではシリーズ別にセクションを作成。「『女子ウケ』が気になる方はコチラ」など、セクション名の付け方も工夫されている

コミュニティ/フリートークを運用する

YouTubeチャンネルには、動画以外のコンテンツを投稿できる、SNSのフィードのような機能があります。それが「コミュニティ」または「フリートーク」です。

■フリートーク:チャンネル登録者数1000人以下の場合。テキスト投稿のみ

■コミュニティ:チャンネル登録社数1000人以上で有効に。テキスト、画像、動画、再生リストを投稿できるほか、アンケート機能もある

 
コミュニティに投稿すると、新着動画と同じようにチャンネル登録者に通知されます。動画よりも手軽に投稿できるため、ファンとのコミュニケーションを促進し、コミュニティを盛り上げるために積極的に運用したい機能です。

<投稿コンテンツアイデア一例>
・最新動画の予告
・撮影の裏側をおさめた写真やショート動画
・タイムリーな最新ニュース
・キャストの紹介、近況
・アンケートを活用した対話
・他のSNS投稿の紹介

マーケティング目的を達成するためのチャンネルを構築しよう

YouTubeチャンネル運用を成功させるためには、良質な動画コンテンツを制作・配信するだけでは不十分で、YouTube内のホームページと言えるチャンネルをしっかりと組み立てていくことも同時に重要です。

キーワード選定などは多少の経験値が求められますが、各種設定作業は決して難しいものではなく、一度使えば覚えられるものですので、まずはご自身で触ってみて、設定方法を身につけてしまうことをおすすめします。

そしてまた、チャンネルを運用していく中で定期的に効果分析を、マーケティング目的を達成するためにより良いチャンネルの形へと最適化を図っていくことが大切であることも覚えておいていただけたらと思います。

もし、YouTubeチャンネルの開設や各種設定についてお困りのことがありましたら、お気軽にサムライトまでご相談ください。YouTubeに精通した専門チームが貴社のYouTube運用をしっかりサポートいたします!
 
 
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ABOUTこの記事をかいた人

川田 亮

前職ではTV番組制作会社のディレクターとして、バラエティを中心に様々な番組制作を経験。現在はサムライトのYouTube lab.主任研究員として、動画の分析からディレクション、ライブ配信関係の商品開発などを担当。