お正月休みから早1週間。
仕事も始まり、普段の日常に戻りつつある頃ではないでしょうか?
みなさんの中に、
「今年はどんなマーケティング施策を打ったらいいだろうか?」
「これまでやってきたオウンドメディアはこのままでいいのか?」
「コンテンツマーケティングの新しい施策を始めたい!」
と考えていらっしゃる方も多いかと思います。
今回は、「2019年のコンテンツマーケティングはどう変わるか?」2019年のコンテンツマーケティングにおけるトレンドを、サムライトCEOの池戸に予想してもらいました。
目次
2019年大予想:オウンドメディアが次のステップへ進む!
池戸:2019年はオウンドメディアが大きく変わり、次のステップに進む年になると考えています。
これは、オウンドメディア運営において、これまでの「どうやってユーザーに届けるか(HOW)」という集客中心の議論から、「何を届けたいのか(WHAT)」という本質を追求するようになるということです。
立原:そのような変化が起きるのは何故なのでしょうか?
池戸:現状として、1社1オウンドメディアが当たり前の時代になり、コンテンツマーケティング自体がマーケティング施策として当たり前になってきました。
しかし、これまでのコンテンツマーケティングでは「どうユーザーとコンタクトを取るか」「どういったキーワードでユーザーに届けるか(HOW)」といった”集客”の議論にフォーカスされがちでした。
その一方で、広告主が「何を届けたいのか(WHAT)」という部分が置き去りにされてしまっていたのです。
だからこそ、2019年は、原点に立ち返り、「何を届けたいのか」という本質的な見直しが入ることになるでしょう。
原点回帰によって起こる2つの変化
1. オウンドメディアのサービス化
立原:「どうやってユーザーに届けるか(HOW)」から「何を届けたいのか(WHAT)」という原点に帰ることで、具体的にはどんな変化が起こるのでしょうか?
池戸:オウンドメディアといえば、記事コンテンツによる「情報発信」という常識から、記事コンテンツに縛られず、オウンドメディアを1つのサービスとして捉え、「体験価値」を提供していく流れが加速するでしょう。
実際に、この流れは2018年以前にも見受けられていて、ニッポンハムグループが取り組んでいる「BBQ GO」というオウンドメディアがその一例です。
このオウンドメディアは従来の記事コンテンツのみのオウンドメディアに加え、「バーベキュー場の検索」という機能を備えてコンテンツマーケティング施策の1つになります。
目的:バーベキューをした時に、ニッポンハムグループおよびその商品を想起してほしい
これは企業がオウンドメディアで「何を届けたいのか(WHAT)」という原点に立ち返ったことで出てきた新しいオウンドメディアの形であると考えられます。
それにより、今後はサービスとコンテンツの垣根も一層なくなっていくでしょう。
2. オウンドメディアの活用シーンの拡張
立原:他にはどんな変化が起こるのでしょうか?
池戸:オウンドメディアを活用するシーンが拡張していきます。
具体的には、これまで主にマーケティングに使われてきたオウンドメディアが、採用広報、社内報、会報、DMなど活用シーンを広げていくでしょう。
オウンドメディアは本来マルチに活用できる素質があると思っています。
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採用
その最たる例が、採用のシーンです。
現在、売り手市場の採用において、採用競争力を付けるための採用広報として、オウンドメディアを活用できます。
それによって、企業のスペック(給料・福利厚生など)だけでなく、企業文化や裏側にあるストーリーを伝えることができるため、企業のスペック情報だけでは拾いきれなかった人材や、より企業と相性のいい人材を獲得できる可能性が高まります。
このオウンドメディアを用いた採用のことを「オウンドメディアリクルーティング」と呼び、浸透しつつあります。
オウンドメディアリクルーティングとは?
本サイトでは、その「オウンドメディアリクルーティング」の解説情報や様々な企業の実践情報・イベントレポートなどを発信しています。
引用:https://owned-media-recruiting.com/
実際に、オウンドメディアリクルーティングに関しては多くの企業が取り組み始めており、社内の人物を取り上げ、企業文化やビジョン・ミッションを伝えています。
DeNA
リクルート
https://www.recruit.co.jp/meet_recruit/
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インナーコミュニケーション
更に、近い将来では、デジタル化が進んでいない紙媒体にもオウンドメディアの活用が進むでしょう。
具体的には、インナーコミュニケーションを目的とした社内報や、会員制用の会報、機内誌などが考えられますね。
最近の面白い「社内報」の例でいうと、トヨタ自動車の「トヨタイムズ」があります。
これは従来の社内向けに発信していた社内報を、外部にもオープンにしていくオウンドメディアです。
この目的は、トヨタ自動車の「自動車カンパニー」から「モビリティカンパニー」への転換を、社内だけでなく、社外のあらゆる人(消費者、将来一緒に働く人)に浸透させるものです。
このように、オウンドメディアの活用は、マーケティングシーンだけでなく、採用、CRM、インナーコミュニケーションなどに広がっていくでしょう。
まとめ
今回は、コンテンツマーケティングにおける2019年のトレンドをサムライトCEOの池戸に予想してもらいました。
要点をおさらいすると、
2019年は、オウンドメディアが、次のステップに進む、という大きな流れが予想されます。
その中で、
- オウンドメディアがサービス化する
- オウンドメディアの活用シーンが拡張される
という2つの変化が起こるでしょう。
だからこそ、
まずはオウンドメディアの目的に立ち返り、
「誰に、何を届けたいのか?」「その人にどうなって欲しいのか?」を改めて見直す必要があるでしょう。
その上で、記事コンテンツに縛られず、柔軟にオウンドメディアの形を検討する余地があります。
さらに、広告が生活者に届きにくくなっている時代において、採用や社内広報など、あらゆるシーンにおいてストーリーを持って伝えることが一層求められています。
今当たり前に発信しているものが、本当に生活者に刺さっているのか見直すところから始めてみると良いでしょう。