フォロワー数を追う時代は終わった?「今」のInstagramを知って効果的なアカウント運用を目指そう


はじめまして!サムライトSNS lab.研究員の湯浅です。

2020年11月26日、マーケターを対象とするオンラインイベント「House of Instagram」がFacebook Japanによって開催され、Instagram活用に取り組む上で知っておきたいポイントやノウハウがたくさん披露されました。

そこで本記事では、イベントで紹介された内容をもとに、これからInstagramを活用しようと思っている方、あるいは現在アカウント運用しているものの期待した成果を得られていない方に向けて、Instagramマーケティングに取り組む上で理解しておきたいInstagramのスタンスや、効果的なアカウント運用を実現するためのポイントをご紹介していきます!

Instagramの価値は「好き」と「欲しい」をつくるプラットフォーム

ソーシャルメディアをマーケティングで活用するにあたってはまず、そのプラットフォームがどのようなミッションを掲げてどのような世界を実現したいのか、そしてユーザーがどのようなマインドで利用しているかを理解しておくことが重要です。

SEOで成果を出すために、Googleが目指す世界やそのアルゴリズムに沿ったサイト運用を目指すのと同じことです。

そこでまず、Instagramがどのようなプラットフォームなのかを確認しておきましょう。

ミッションは「大切な人や大好きなことと、あなたを近づける」

Instagramのミッションは「大切な人や大好きなことと、あなたを近づける」。このミッションのもと、Instagramにはユーザーが好きなものを発見しやすいように様々な機能や仕掛けが用意されています。

※画像出典元:House of Instagram (以下同)

そしてユーザーも、好きなものを積極的に探すためにInstagramに訪れ、Instagram上で新しい発見に出会った瞬間に、ユーザーは関心を高め、自分ごと化していきます。

さらに、Instagramにはショッピング機能も用意されているため、「欲しい」と思ったときにシームレスに購買行動を起こすことができます。

このように、「好き」や「欲しい」といった気持ちを大きく動かし、同一のプラットフォームで認知からエンゲージメント獲得、購入のアクションまで促せるという点がマーケティングプラットフォームとしてのInstagramの価値と言えます。

「好き」や「欲しい」をつくることができる理由

Instagramはなぜ「好き」や「欲しい」といった感情をつくることができるのでしょうか?その理由として、イベントでは次の3つのポイントが紹介されました。

①多彩なビジュアルツールでブランドを表現できる

Instagramはかつてはフィード上で写真を共有するSNSでしたが、年々様々な機能が導入され進化してきました。

たとえばInstagramストーリーズは、15秒ほどの短い縦型動画を24時間限定で共有できる機能で、後に残らない気軽さから、よりタイムリーでカジュアルなコミュニケーションを可能にしています。

そのほか、最長1時間という長尺かつ縦型の動画を配信できるIGTVや、最大30秒でBGMやARエフェクトなどを簡単に組み込めるリールなどもあります。

このように多彩なビジュアルツールがラインナップされていることで、ブランドや商品の魅力を様々な形で表現でき、ユーザーの興味関心を惹きつけることができます。

②ブランドストーリーをストックし、ブランドの全体像を伝えられる

フィード、ストーリーズ、IGTV、ストーリーズ広告など、多彩なビジュアルツールを通じて偶発的にブランドに出会い、興味を持ったユーザーの多くは、まずプロフィールを訪れ、気になる情報を掘り下げていきます。

このようにInstagramでは、フィードやストーリーを通じてタイムリーな情報を届けるフロー型のコミュニケーションだけでなく、プロフィール内に様々なブランドストーリーをストックしてブランドの世界観を表現するストック型のコミュニケーションが可能です。

他のSNSの多くは、より深い情報を見るために外部サイトに飛ぶ必要がありますが、Instagramではプロフィールが「ミニブランドサイト」のような役割を担い、様々なブランドストーリーを通してユーザーの心を掴むことができるのです。

③ユーザーは「自分ごと化」につながる行動を起こす

「『自分ごと化』につながる行動」とは、気になった投稿を保存する、投稿や広告から商品詳細を見るといったInstagram内の行動から、店頭で商品を確認したり、実際に商品を購入したりといった行動を指します。

Instagramで適切にブランディングを行えば、自分ごと化のアクションに確実に引き起こし、「欲しい」「購入したい」といったマインドまで導くことができます。

ネスレ社の事例では、Instagram・Facebook広告の費用対効果がテレビの1.5倍、他メディアの動画広告の3倍、ディスプレイ広告の6倍以上だったとのことです。

Instagramアカウント運用の基本的な考え方

ここまでで、Instagramというプラットフォームの特性をご理解いただけたでしょうか?
続いては、Instagramを活用する際の基本的な考え方について説明していきます。

Instagramの強みを生かす3つのポイント

前章で、「好き」や「欲しい」といった感情を生み出せるというInstagramの強みをご紹介しましたが、その機能的特徴を生かし、アカウント運用の成果をさらに高めるためのヒントとして次の3つのポイントが挙げられました。ひとつずつ詳しく説明していきます。

①喜びにつながる偶発的発見を創出する

Instagramはユーザーに、独自のアルゴリズムによってパーソナライズされた偶発的なブランドとの出会いをたくさん創出してくれます。普段Instagramを使っている方は、発見タブに自分の好きなものがずらりと載っている様子を見たことがあると思います。

まったく同じアカウントをフォローしていても、ユーザーの興味関心や各投稿との関係値(これまでどのようなリアクションをしたか)などによって表示される投稿が異なり、ユーザー一人ひとりにおいて関心の高い内容が優先的に表示されるようになっています。

こうして生まれる偶発的発見の創出を最大化させるためには、オーガニック投稿だけでなく広告との組み合わせのが有効です。広告によって素早く大規模なリーチを実現することで、偶発的発見の機会を増やすことができます。

②多面的なブランドストーリーを伝達する

偶発的な発見に備えて、ブランドの様々なストーリーを伝えるコンテンツをプロフィールページにストックして、その世界観を網羅することも重要です。

ユーザーは、気に入った投稿やブランドに出会うと、自分ごと化につながる行動を起こします。代表的な行動の1つがプロフィールの閲覧です。42%のInstagramユーザーが「興味関心を持った商品やブランドのプロフィールをまず確認する」と回答しており、プロフィールページへのアクセスの2/3以上が非フォロワーというデータもあります。

そのため、フィード投稿を充実させておくことはもちろん、テーマごとに過去のストーリーズをまとめたハイライトへ誘導させる、ダイレクトメッセージや各種アクションボタンを取り揃えておくなど、導線の配置を含めてプロフィールページの設計が重要です。

プロフィールは、アカウントの顔になる部分。Instagramがミニブランドサイトなら、そのトップページの役割を担います。ブランドのアイデンティティを示すプロフィールでどれだけ興味を持ってもらえるかが、その後の関係性をを大きく左右するといっても過言ではありません。商品のラインナップ、活用アイデア、UGCなど、多面的なブランドストーリーを伝達できるコンテンツをストックしていきましょう。

③「欲しい」への共鳴を増幅させる

Instagramでは、ブランド・ユーザー・インフルエンサーといった多様なコミュニティの視点による、熱量の高いメッセージの連鎖を創出することが可能です。ブランドから発信した情報が興味・関心を持っている層へハッシュタグ検索や広告を通じて届くだけでなく、影響力を持つインフルエンサーによってそのメッセージはさらに広がります。

例えば、ストーリーズ広告上で実施したアンケートの投票結果によってプレゼントキャンペーンの商品を決めた事例もあります。また他の事例では、インフルエンサーとのタイアップ記事を広告配信し、アプリのインストールや登録完了率を大幅に上げたそうです。ユーザーにブランドを身近に感じてもらうにために、ストーリーズのAR機能などを活用したUGCも効果的です。

私の知り合いが勤めているアパレルブランドやセレクトショップでは、コロナ禍で来店客が減少した際に、インフルエンサーとコラボレーションしたインスタライブ配信の中で新作商品を発表し、多くの購入につなげた例もあります。

KPI設定のポイント

Instagramアカウントを効果的に運用するためには、KPIの設定も欠かせません。そこで最後に、イベントのプログラムにはありませんでしたが、KPI設定の基本的な考え方も解説しておきたいと思います。

もっとも大切なのは目的に沿ったKPI設計

かつて「インスタ映え」という言葉が流行した頃は、Instagramはビジュアルや世界観重視の感覚型のプラットフォームであり、指標もそれほど多くありませんでした。

しかし近年、Instagramに「自分にとって有益な体験」を求めるユーザーが増加しています。Instagramは感覚型のプラットフォームから体験型のプラットフォームに移り変わり、価値提供の幅が広がっているのです。それに伴い、フォロワー数、エンゲージメント数、投稿ごとの新規フォロワー数、サイト流入数、投稿の保存件数、コメント内容など見るべき指標も多様化してきました。そのため、アカウント運用の目的に応じて、適切なKPIを選定することが求められます。

そこで大切なのが、「何のためにそのアカウントを開設したのか」という目的に立ち返ることです。例えば、ブランドへのロイヤリティの高いユーザーの育成を目的とするのであれば、エンゲージメント数やリアクション率などがKPIとなります。購買というビジネス成果を目指すのであれば、「将来的に売上をもたらす、ブランドに対して熱量を持ったフォロワーの数」が重要になるでしょう。

決してフォロワー数がすべてではない

もっとも分かりやすい指標はフォロワー数であり、フォロワー数をKPIに設定している企業も多く見られます。しかしフォローとは、ユーザーがアカウントを見つけ、興味を持った結果として起こすアクションの一つです。

そのため、アカウント立ち上げ時などはまず、アカウントを見つけてもらう機会を増やすために、UGCや保存数などユーザーからのアクション数を増やすところからスタートするべきでしょう。それらが増加すると、おすすめや検索などに表示される可能性が高まり、リーチできる範囲が広がります。そして魅力的なコンテンツを通してアカウントやブランドを認知し、エンゲージメントが向上していき、新たなフォロワーの獲得につながっていきます。

このように、最終的な目的の達成に向けて、フェーズごとにKPIを設定していくことも必要です。

Instagramを上手に活用してファンとの素敵なつながりを創出しよう

日本のInstagramユーザーは他国のユーザーと比較して、ハッシュタグ検索を行う回数が5倍も多かったり、ショッピングタグがついている投稿から商品詳細を見る割合が3倍だったりと、非常に積極的にInstagramを利用しているそうです。

今回ご紹介した基本やポイントを押さえてInstagramを適切に活用できれば、熱量の高いファンとつながり、高い成果を得られる可能性を持っていると言えるでしょう。現在運用中でなかなか成果が出ないと感じている方も、一度基本に立ち返って、Instagramの強みを生かした運用ができているか見直してみてはいかがでしょうか?

Instagram活用の目的設定からクリエイティブ制作、日々の運用、広告活用まで、課題に感じられていることがありましたら、サムライトにぜひお気軽にご相談ください。支援実績が豊富な専門チームが、ユーザーとの素敵な出会いとつながりを創出すべく、しっかりとサポートさせていただきます!

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ABOUTこの記事をかいた人

湯浅 眞

1997年生まれ、宮崎県出身。大学時代は医療機器の開発を専攻。在学中の自身でのSNS活動経験を武器に、研究開発を担当するプロダクトディベロップメントDiv.(以下、PD Div.)でSNSおよびYouTube領域の研究員として活動中。