インフルエンサーマーケティングに取り組む企業必見!人気インフルエンサーが語る成功の条件とは


広告が生活者に届きにくくなっている昨今、よりユーザーに近い立場であるインフルエンサーを活用したマーケティングに注目が集まっています。

インフルエンサーマーケティングに取り組む企業が増えたことで、Instagramを中心としたSNSにおけるPR投稿数も急増している今、その中に埋もれることなく、きちんとユーザーにメッセージを伝え、マーケティング成果に結びつけるために、企業は何をすべきなのでしょうか?

そのヒントを探るべく今回は、インフルエンサーマーケティングの最前線でユーザーたちとつながっている現役インフルエンサー、石井里奈さんへのインタビューを敢行!インフルエンサーの立場から見た、インフルエンサーマーケティングの成功に欠かせないポイントを教えていただきました。

インフルエンサーが考える、良いPR投稿とは

――石井さんはこれまでインフルエンサーとして活動されてきた中で、どのような投稿が良いリアクションを生みやすいかなどの経験値をお持ちだと思います。企業から依頼されたPR投稿をする際に心がけていることはありますか?

自分のオリジナリティを出しつつ、できるだけ日常生活に商品が溶け込むような形で撮るようにしています。あとは、自分が本当に使わないような商品の広告はお引き受けしていません。

石井里奈さん
会社員として働きながら読者モデルやヨガインストラクターとしても活動し、現在110,000人以上のフォロワーを抱える。

――PR投稿を日常生活に溶け込ませるとは、具体的にどういうことですか?

例えばダイエット商材のPRの場合、その前にオーガニック投稿で旅行に行っているポストがあったとしたら、そのPR投稿では「最近旅行ばかり行ってて食べ過ぎちゃったので、今日コレを始めてみました!」というストーリーを組み立てて見せた方がすんなり入ってきますよね。

あるいは、私は普段ヨガをしているのですが、フォロワーさんがそのことを知っている状態で、「ヨガの時に今日飲んだお水はコレです」と投稿すれば、本当にヨガのときその商品を使っていたんだなって思ってもらえそうですよね。

このように、日常のオーガニック投稿に関連させる形でストーリーを作ってPRした方が、フォロワーさんの腑に落ちるのではと思っています。

インフルエンサーマーケティングを成功させるために必要な視点

――サムライトでは、インフルエンサーマーケティングを成功させるためのフレームワークとして「PARCS」を提唱しています。この5つのポイントについてどう思われますか?
どれも共感できますし、インスタグラマーとして私がいつも心がけていることにも重なります。何も思い入れのない商品はうまく紹介できませんし、日常に溶け込んでいないのはダメですし。どれも基本的なことですが、良いPR投稿にするという意味では、この5つのポイントはすべて満たしていることが大事だと思います。

――インフルエンサーである石井さんに「パッション」が生まれるのはどのような時ですか?

通常のお仕事では、PRする商品が送られてきて、その商品のことをサイト等で調べて投稿する、という形になります。

それでもある程度は伝わると思うのですが、自分の想いがよりフォロワーさんたちに伝わったと実感できるのは、クライアントさんと直接お会いしたり、イベントなどに参加させていただいたりして、商品についての説明を受けた上で投稿したケースですね。そういったプロセスがあると、その商品がどれだけ魅力的か、作り手がどのような想いを込めているのかなどを深く理解できるので、それを皆さんに紹介したいという意欲が湧いてきます。

――そのパッションが「アクティブ」な発信にもつながるんですね。

能動的に発信したくなるのは、自分が本当に感動した時や、本当にその商品が良いと思った時ですよね。投稿しなくていいと言われても投稿したくなるくらい(笑)。だから、商品のことをきちんと説明していただいたり、実際に体験・体感させていただいた方がインフルエンサーは能動的に発信するようになると思います。

商品やクライアントさんと近くなるほど、よりアクティブになっていくかなと思っています。

――「リテンション」はPR投稿にどのように影響しますか?

私も今、とある商品について長期的にお付き合いしているのですが、継続的に同じ商品を紹介していると、フォロワーさんから「本当に好きなんだね」と言ってもらえたりします。PR投稿ではありますが、情報としての信憑性が高まっているのかなと思います。

また長期的にお付き合いすることで、私自身も商品やクライアントさんのことがもっと好きになるので、パッションもより高まると思います。そのようなクライアントさんとは案件が終わったあとでも関係が続いており、別の企画の相談をいただいたり、友人の一人として普通に話したりしています。そんな関係づくりができるのも良いですよね。

――「コミュニティ」を形成しているインフルエンサーと、していないインフルエンサーでは、PR効果に違いがあると思いますか?

コミュニティがあることで、購買意欲が高まることはあると思います。

私のインフルエンサー仲間の中には、コミュニティを作ってフォロワーさんと密に連絡をとったりイベントなどを開催してる人もいます。実際直接お会いしたり、密にフォロワーとコミュニケーションを取ることで、インスタグラマーが、オススメした商品をフォロワーさんが購入するケースも多いようです。

――最後の「ストーリーテリング」は、石井さんがいつも気をつけている”日常に溶け込ませる”と同じですね。

日常感がある方が、その後の会話としても広がっていきますし、信憑性があって”広告感”の少ないPR投稿になると思うので、ストーリー性は特に大事にしていることですね。

友人からよく言われるのですが、私の投稿は、どれがオーガニックでどれがPRか区別しにくいようです。そう評価してもらえるのは、ちゃんと日常に取り込んで、自分の想いや意見をきちんと書けているからなのかなと思います。

インフルエンサーマーケティングのあるべき形とは

――インフルエンサーの立場から見て、インフルエンサーマーケティングを成功させるために企業がすべきことは何だと思いますか?

企業はまず、自社の商品を本当に好きになってくれそうなインフルエンサーを選ぶ、またはそのようなインフルエンサーを提案してくれそうな代理店を探す、ということが大事ではないかなと思います。

ブランドや商品が好きなインフルエンサーであれば、パッションも生まれやすいですし、インフルエンサー本人と関連づけたストーリー性を持った投稿にもつながります。先ほどのPARCSもすべて叶いそうですよね。

――それでは最後に、石井さんが理想とするインフルエンサーマーケティングの形をお聞かせください。

インフルエンサーの立場としては、クライアントさんと直接お会いする機会がもっとあるといいなと思っています。代理店を通すのではなく、クライアントさんと直接会って商品に込めた想いなどを知ると、その感動を皆さんにもっと伝えたいというパッションが生まれるので、PR投稿の内容も変わってくると思います。

クライアントさんも、インフルエンサーと直接会うことによって、「こういう世界観の人なら依頼しても大丈夫そう」とか「会ってみたらちょっと違うかも…」といった判断もできるのではないでしょうか。実際に会えば、本当にその商品を使っているかもすぐに分かるはずです。

ある企業ではアンバサダーとして起用するために、インスタグラマーを十数人集めて面接をしていました。双方にとって若干手間は増えますが、本当にその商品のことが好きであればインフルエンサー側はそれでも参加したいと思うはずなので、パッションのあるインフルエンサーが集まりやすいですし、より良い広告を一緒に作っていけるのではと思います。

――企業とインフルエンサーがお互いに理解を深めることが、インフルエンサーマーケティングを成功させる重要なカギになりそうですね。本日は参考になるお話をたくさんありがとうございました!

【インタビュー後記】インフルエンサーの価値を最大化するために

今回のインタビューを通して、インフルエンサーマーケティングを成功させる上では、自社商品やブランドを好きになってくれそうなインフルエンサーと出会い、心から好きになってもらえるように丁寧なコミュニケーションを図り大きなパッションにつなげることが、非常なポイントであることが分かりました。

インフルエンサーマーケティングとは本来、その人のキャラクターや世界観に共感するフォロワーたちに対して、そのインフルエンサーならではの視点を通して商品やブランドの価値を訴求するマーケティング手法です。つまりインフルエンサー自身の共感や情熱が何よりも重要なはずです。

昨今、インフルエンサーはときに、フォロワー数やエンゲージメント数といった「数値」だけで評価されがちですが、企業がインフルエンサーという存在を通して生活者の心を動かすためには、インフルエンサーたちに「人」として向き合い、彼/彼女たちと一緒に商品やブランドの価値を伝える努力をしていくことが、何より大切なのではないかと思いました。

そんな、インフルエンサーマーケティングの原点とも言える考え方に立ち戻るためにも、今回ご紹介したフレームワーク「PARCS」をぜひ活用してみてはいかがでしょうか?

なぜ今「PARCS」が必要なのか、その価値や具体的な活用方法を詳しく解説したホワイトペーパーをご用意しましたので、ぜひインフルエンサーマーケティングの成功に向けてお役立てください!


ABOUTこの記事をかいた人

金澤 ジョーダン

広告代理店出身の社会人5年目。アプリ領域の強い代理店から外資系コンサルティング企業に転籍し、オンライン教育事業部の0→1を経験。また、海外メディア企業の日本オペレーションの最高責任者も含めて、フリーランスを応援するWeb媒体のライターとして活動。現在、ビジネスデベロップメントに加え、商品開発や海外リサーチなど、数多くのことを実施中。