マイクロインフルエンサーとは?マーケティング業界の秘訣(前編: 背景)


10代20代は情報過多の世界で生活をしており、周りには情報が溢れています。その結果、上の世代よりもリアルな声を求めていて、それに合わせてマーケティング手法を変更する必要があります。

リアルな声を発信する仕組みのひとつは、インフルエンサーマーケティングです。インフルエンサーとは、Web上で 影響力を持つ人のことで、こういう人を通してユーザーに製品を知ってもらうのがインフルエンサーマーケティングです。

しかし、人はいつインフルエンサーになるでしょうか?インフルエンサーにおける段階はあるのでしょうか?

今回、「マイクロインフルエンサー」という概念を中心に、インフルエンサーの活用法や海外のインフルエンサーマーケティングの最新トレンドをご紹介します。

マイクロインフルエンサーとは?

インフルエンサーマーケティングでは、ふたつのカテゴリーに分けられています。

マイクロインフルエンサーとマクロインフルエンサーの違い

マイクロインフルエンサーは、1,000人〜50,000人のフォロワーをもっているユーザーのこと。人によっては、500人のフォロワーをもつ人でもマイクロインフルエンサーの枠に入れることがあります。

マイクロインフルエンサーでは、フォロワー数よりも、ユーザーのエンゲージメント率とニッチのジャンルを重視します。

いっぽう、マクロインフルエンサーとは、50,000人のフォロワー以上のユーザーのこと。ニッチよりも、広い範囲にリーチするための手段です。

マイクロインフルエンサーに関わる統計

広告代理店では、マクロインフルエンサーを起用することが多いですが、マイクロインフルエンサーのほうが効率的な面もあります。

たとえば、ESPLMediaというオーストラリアを本拠地とする広告代理店いわく、マイクロインフルエンサーはマクロインフルエンサーよりも6.7倍ほど生活者にエンゲージできるようです。

また、Markelyというデータ会社の調査によると、Instagramのフォロワー数と「いいね」率およびコメント率は1,000フォロワーでピークに達することが分かりました。インフルエンサーのフォロワーが多くいればいるほど、エンゲージメントのROIが下がります。

マイクロインフルエンサーを活用するメリット

マーケティング戦略でマイクロインフルエンサーを使用するメリットはいくつかあります。

  1. 小規模のインフルエンサーがもたらす透明性
    マイクロインフルエンサーはニッチを抑えるので、その分野のエキスパートとしてよく評価されています。
  2. マス向けのインフルエンサーよりもマイクロインフルエンサーのほうがエンゲージメント率が高い
    ユーザーとインフルエンサーの壁が薄く、フォロワー数が多ければ多いほどエンゲージメント率も下がる傾向にあります。
  3. マイクロインフルエンサーはコストパフォーマンス良し
    マス向けのインフルエンサーよりも料金が安く済ませます。

MarTechの記事を元に翻訳して引用

マイクロインフルエンサーの活用法

マイクロインフルエンサー活用において先行している海外では、最適な活用を図るためのポイントとして以下の点があげられています。

  1. ファンをマイクロインフルエンサー化
    すでにブランドのフォロワーで、ある程度のフォロワー数を持っているユーザーに連絡を取って、インフルエンサーになってもらうこともできます。
  2.  写真と一緒に、商品についてのストーリーを記載する
    マイクロインフルエンサーの強みは、信ぴょう性です。信ぴょう性を高めるには、自然な投稿が一番です。
  3. 長期的にマイクロインフルエンサーを使うべき
    ほかのマーケティング手法と同様に、マイクロインフルエンサーを一回使っても、効果が見づらいです。何回かマイクロインフルエンサーを活用すると、本人のフォロワーとの関係性を築けます。
  4. ローカルなインフルエンサーほど説得力があり
    人との距離感が近ければ近いほど信頼性も上がるというわけで、地元のインフルエンサーも効果的でしょう。

Sidney Pierucci氏(シドニー・ピエルチ)の記事をもとに翻訳して引用

マイクロインフルエンサーの活用事例

SnapAppというマーケティングツールのオウンドメディアから、マクロインフルエンサーとマイクロインフルエンサーを比較した記事の一部をご紹介します。

【マクロインフルエンサー】@yoga_girl

・【フォロワー数】210万人
・【投稿一個辺りのコスト】$25,000(約250万円)
・【コンテンツ】ブランドドリブン、投稿のエンゲージメントが低い

ヨガや家族生活についての投稿をするRachel Brathen。ブランドドリブン、投稿のエンゲージメントは低いです。200万人のフォロワーがいるため、投稿ごとの単価が高いです。

【マイクロインフルエンサー】@curvyyoga

・【フォロワー数】8,900人
・【投稿一個辺りのコスト】$130(約1.3万円)
・【コンテンツ】ニッチのコンテンツ、コミュニティーとのエンゲージメントが高い

@curvyyogaのコンテンツは@yogagirlと共通するところはあります。しかし、大半のコンテンツは体重が重い人に向けていますので、体重が重いユーザーにターゲットする場合、@yogagirlよりも、@curvyyogaのほうが確実にターゲットに情報が届きます。

SnapAppの記事を元に翻訳して引用

最後に

いかがでしょうか?インフルエンサーのフォロワー数だけに限らず、エンゲージメント率や信憑性なども検討する上でその人に頼むべきなのかを決定すべきです。

後編では、海外でもっとも使われているインフルエンサーマーケティングのサービスやプラットフォームなどをご紹介します。


ABOUTこの記事をかいた人

金澤 ジョーダン

広告代理店出身の社会人5年目。アプリ領域の強い代理店から外資系コンサルティング企業に転籍し、オンライン教育事業部の0→1を経験。また、海外メディア企業の日本オペレーションの最高責任者も含めて、フリーランスを応援するWeb媒体のライターとして活動。現在、ビジネスデベロップメントに加え、商品開発や海外リサーチなど、数多くのことを実施中。