前編・後編にわたってお届けしている「コンテンツマーケティングを始める前に押さえておくべき7つの基本」。
前編では、コンテンツマーケティングとは、コンテンツマーケティングにおいて大切な考え方、ペルソナ設定に関して4つの基本をご紹介しました。
コンテンツマーケティングを始める前に押さえてべき7つの基本【前編】
後編では、さらに踏み込んだ3つの基本をお届けします!
コンテンツマーケティングで何がしたいの?
立原:よくある誤解として、「コンテンツマーケティングは、オウンドメディアを作って、記事を書いて終わり。」だと勘違いされることがあると聞きます。コンテンツマーケティングについて、どのように捉えることが必要なのでしょうか?
加藤:「記事を書いて終わり。」だと記事を書くことが目的になってしまっていますよね。そうではなく、コンテンツマーケティングのゴールを意識することが必要です。
立原:コンテンツマーケティングのゴールは、どのように設定したら良いのでしょうか?
加藤:マーケティング全体のゴールに基づいて設定されるべきです。マーケティング全体を俯瞰した上で、コンテンツマーケティングの目的や役割、何を期待するのかを明確にしなければなりません。
そのうえで、ゴールに到達するために、ターゲットユーザーがどんな媒体を使っているのかを考え接点を作っていくわけです。そうなると、オウンドメディアを作って、記事を書いて終わり、ではなく、アーンドメディアやペイドメディアと呼ばれる、メディア同士の連携も必要になってくるでしょう。
ターゲットと目的に向けたトリプルメディアの連携
立原:では、メディアごとの特性をどう捉えて、どのように使い分けをしたら良いのでしょうか。
加藤:まずはメディアの使い分けというのは戦術レベルの話だということを認識することが必要です。つまり、目的やターゲット、戦略に応じて最適な使い方、使い分けをしていけばいいわけです。
例えば、集客がコンテンツマーケティングの目的なのであれば、ターゲットが使用しているSNSで接点を作り、その上でオウンドメディアへの流入を図るという設計になるかもしれません。
エンゲージメントやファンづくりを目的にするのであれば、逆にオウンドメディアで接点をつくってからSNSのフォローへ誘導し、SNS上で継続的にコミュニケーションをとり、関係を深めていくという連携の形もあるでしょう。
ただ、目的やターゲット、戦略に対して「何が最適か」を初めから特定できることは少ないので、そこは注意が必要なポイントといえます。まずはやってみて反応を見つつ改善をし続けて、自分たちにとっての最適解を導き出していく必要がある場合がほとんどでしょう。
中長期で持続可能な運用体制がポイント
立原:コンテンツマーケティングって、効果が出るまでに時間がかかると思うのですが、効果が出るまでにだいたい何年くらい見込んだらいいのでしょうか?
加藤:理想としては、だいたい3年計画で考えて、戦略を立てる。その中で、まず最初の1年でどのくらい効果があったか進捗を見るといった進め方ができれば、コンテンツマーケティングの特性は活かしやすいと思います。ただ、この理想通りにいく場合をほとんど見ない気もしていますが。(笑)
立原:これまでに最短で成果を出した時は、どのくらいかかりましたか?
加藤:はっきり言えば、成果が出るという定義によります。単純に、短期間に費用もコンテンツも大量に投下すれば、1ヶ月とか2ヶ月とか、短期間ですぐに効果が出る可能性もあるといえます。
ただ、大量のコンテンツを投下し続けるということが果たして持続可能なのかということは考慮しておくことが必要です。単に最初一気にブーストさせる、とか、計画的なものであればもちろん問題ないですが、基本的には中長期で継続しながら成果を上げていける、最適なリソースの配分をきちんとしていくことが成功への近道だと思います。
「継続は力なり」というように、中長期の継続を意識した計画を立て、リソース配分を行っていくことで、コンテンツが資産として蓄積されて、継続的に効果を発揮すると言うコンテンツマーケティングの本質的な成功を味わうことができるのではないでしょうか。
まとめ
コンテンツマーケティングはコミュニケーションという言葉の通り、ペルソナの設定、トリプルメディアの使い分け、コンテンツ、のどれに関しても「現実にいるペルソナを設定する」ことや「ターゲットが使うメディアで接点を作る」こと、「ターゲットにとって価値のある情報を発信する」など相手(ターゲット)のことを思いやる精神がベースにありました。
また、長期的な施策であるからこそ、当初のコンテンツマーケティングの目的を忘れてしまいがちですが、全体のマーケティングを俯瞰した上で、コンテンツマーケティングを使う目的を考えるべきですね。
さらに、コンテンツマーケティングの本質的な効果である「資産としてのコンテンツが継続的な効果を生む」という状態を作り出すために、中長期で持続可能な運用体制を持つことが現実的に重要です。