【実践】初心者のためのSEOライティング6つのステップ


SEOライティングを完璧にマスターするためには様々な知識やスキルが求められますが、残念ながら一朝一夕で身に付くものではありません。

中には「何の知識も経験もないけどとりあえずSEO記事を書かなければいけない!」という状況からスタートするケースもあるでしょう。

そんなSEOライティングに初挑戦する方に向けて、本記事では同じくSEOの知識や執筆の経験がないサムライト経理担当のSさんを招き、”これだけは!”押さえておくべきポイントを実際の制作手順になぞり会話形式で解説していきます!

※本記事はSEOライティング初心者向けの内容です。正しい日本語や巧い文章ではなく、あくまで「SEO効果につながるポイント」にフォーカスして解説します。

【本記事の登場人物】

K(執筆者):新卒でサムライトに入社し、編集者・ディレクターとしてtoC/toBを問わず幅広い業界にて記事を制作。立ち上げから関わったサイトのPVを約半年で60万PVまで成長させるなど、サムライトのSEO・オウンドメディア担当者としての実績多数。またSEOライティングでも多くの検索上位記事を執筆。

Sさん:経理歴10年以上。サムライトには2020年に入社。現在は月次決算早期確定を指し、社内メンバーとともに業務改善に取り組んでいる。もちろんSEOの知識や記事執筆の経験はない。

 

初心者がつまずく、課題の整理とポイント

まずはSさんに、SEOの知識は何も教えずに自由なテーマで1本の記事を執筆してもらいました。Sさんは「経理の仕事」をテーマに、約1500文字の記事を執筆しました。

Sさん:私の得意分野である「経理の仕事」をテーマに執筆してみました。経理の仕事内容を解説することを目的としたコラム記事ですが、少々まとまりがなく自身の体験談がメインになってしまいました。

K:サムライトでの経理業務が簡潔にまとまっており、非常にわかりやすい原稿だと思います。ただ、「サムライトで経理として働きたい」「サムライトの経理の仕事を知りたい」方にとっては充実した内容ですが、広く「経理の仕事」について悩みを抱える読者にとってはどうでしょうか。これから経理を目指す方は、一般的な経理の仕事に関する内容はもちろん、昨今のコロナ禍を踏まえてリモートワークでの経理の仕事の実現性なども知りたいかもしれません。つまり、想定する読者(ターゲット)が何を知りたいのか(=検索意図)を探る必要がありますね。

まずはSさんの記事の課題を整理してみましょう。

【Sさん原稿の課題点】
・読者ターゲットが不明確
・自身の体験談がメインとなり、「経理 仕事」に即した内容としては過不足がある
・記事タイトルや見出しの不足

 

大きく3つの課題が挙げられますが、これらはSEOを正しく理解し、目的を持ったライティングを意識することで大きく改善されます。

SEOライティングはGoogleの理解から


検索順位は、検索サービスのシステムによって決まります。このシステムは「検索エンジン」と呼ばれ、検索エンジンを司る仕組み(プログラム)を「アルゴリズム」と言います。

現在、検索サービスは、GoogleやYahoo!、Bingなどさまざまな企業から提供されていますが、国内・世界共にGoogleがシェア1位を獲得しています。このためSEO対策では、主にGoogle検索を対象とします。Yahoo!のアルゴリズムはGoogleとほぼ同じですので、SEO対策=Google対策と言っても過言ではありません。

つまり、Googleのアルゴリズムを理解することがSEOライティングの第一歩です。Google検索では、200を超えるアルゴリズムの項目が存在すると言われています。

Sさん:200を超えるアルゴリズム!? 私のようなSEO初心者が検索上位を狙うのはかなりハードルが高いですね。

K:実際に全てのアルゴリズム項目を理解する必要はないのでご安心ください。そもそもGoogleは、検索エンジンに組み込まれている各アルゴリズムの詳細な設計や設定などについて一切公表していません。つまり、現在のアルゴリズムを100%理解することはできないのです。まず初心者の方に意識いただきたいのが、Googleが企業理念やコンテンツ制作の留意事項などをまとめ公表している「10の事実」です。中でも『ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる』は、コンテンツ制作に当たって極めて重要です。

ユーザーファーストを実現するために、情報に辿り着きやすいコンテンツ構成か、必要な情報が含まれているか、信頼できる情報か、読みやすい文章か、などを常にユーザー(読者)目線で制作できているかチェックしましょう。200を超えるアルゴリズム項目を意識しなくとも、徹底的にユーザーファーストで制作すれば、自ずとコンテンツの検索順位は上がります。

Sさん:確かに、私も実際にGoogleで何かを検索した際には、検索意図の答えになるものが上位に来てほしいと思います。記事を作る側になると、途端にユーザーを無視して何を書いたらよいのか……ライティング自体が目的になってしまっていました。

【この章のポイント】
・検索サービスは、国内・世界共にGoogleがシェア1位
・Googleの理解がSEOライティングでは重要
・コンテンツ制作の際には、ユーザー(読者)の目線に立ちユーザーファーストで制作することが何よりも重要

 
※関連記事:【最新】Google検索を理解しSEO対策を!コンテンツ上位表示に向けて

実践!SEOライティングの手順とポイント


SEOライティングでは、執筆を始める前に、誰に、どのような記事を届けるのかを事前に検討します。実際の手順やポイントに沿って確認していきましょう。

Step 1:ターゲットの設定

ユーザーファーストの意識で有益な情報を発信しているものが有用なコンテンツとされますが、このユーザーとは誰のことでしょうか?それは、検索を通してこの記事に出会い、自社や自社のサービスを認知してもらいたいターゲットです。

ターゲットを設定しないまま執筆を始めてしまうと内容に統一性がなくなり、そもそも制作が困難になります。記事を上位表示させるためには、誰に向けたコンテンツなのかを明確にしましょう。

Sさん:ターゲットはどこまで深く設定したら良いのでしょうか。

K:まずは、記事を掲載するサイトやオウンドメディアのターゲットを記事のターゲットとして設定してみましょう。ターゲットは「20代女性」のように、年齢や性別などで区分されるひとつのグループですが、理想はペルソナまで落とし込むことです。

ペルソナとは、ターゲットの特徴をさらに深く掘り下げ設定した人物像を指します。「20代女性」であれば、一人暮らしか、子供の有無、趣味や休日の過ごし方、など個人によって異なる価値観やライフスタイルまで細かく設定します。

ターゲットやペルソナを設定することで、彼らの行動や悩みを具体的に描けるため、その課題を解決する内容を記事テーマとして企画できます。

Step 2:検索クエリの選定

記事を届けたいターゲット像が明確になったら、次にどのようなテーマで記事を制作するかを考えます。そのために必要な要素が「クエリの選定」です。クエリとは、検索エンジンの検索窓に入力するキーワード(文字列)を指します。

「ユーザーが検索するクエリ=ユーザーが知りたい情報・課題」となり、クエリの選定が記事内容の方向性を決めます。設定したターゲット・ペルソナが検索しそうなクエリを見極め、企画や構成に落とし込みましょう。

Sさん:クエリの選定で重要なことはなんでしょうか。

K:検索回数とクエリの数です。検索回数が大きいということは、その情報を求めている人が多いという意味ですので、上位表示されればサイトへの流入も多くなる可能性があります。一方で、そうしたクエリに対しては競合他社も同様のコンテンツを制作・発信しているケースが多いため、検索上位の獲得は簡単ではありません。

クエリの数とは、ユーザーが検索するクエリの単語区分を表します。例えば、ラーメンについて知りたいユーザーが検索するクエリ候補には「ラーメン」「ラーメン店舗」「ラーメン 東京 美味しい」などが考えられます。

Sさん:クエリの数によって文字数や記事の内容も変化しそうですね。

K:その通りです。一般的にクエリの数が少ないほど、検索回数は大きくなります。なぜなら、クエリの数が少ないほどユーザーの課題は抽象的であり、多くの悩みを抱えるユーザーニーズが含まれているからです。

「テレワーク」を調べる方の中には、テレワークの意味を知りたい、起源を知りたい、メリット・デメリットが知りたいなど、多くの課題感が連想できます。クエリの数が増える「テレワーク 椅子」であれば、テレワーク環境に適した椅子を探しているユーザーの課題だとすぐに分かりますよね。より抽象度の高いクエリほど、含まれるユーザーニーズが広いため、検索回数が多くなるのです。

またユーザーニーズの幅が広いほど、求められる情報量は多くなるため、検索回数が大きいクエリにて検索結果上位を狙う場合、記事の文字数も多くなる傾向にあります。

Sさん:今回、私が選定したテーマは「経理の仕事」になるので、これがクエリになり、検索回数に応じた情報量の記事に仕上げる必要があるんですね!

K:クエリの選定では、Googleが提供するキーワードプランナーなどの無料で使える専用ツールを活用しましょう。ツールに入力したクエリの検索数や競合性、その語句に関連するキーワードの情報が把握できます。

Step 3:検索上位記事の分析

選定したクエリにて、検索上位に表示されているサイトや記事を分析しましょう。上位に表示されているサイトや記事は、内容がGoogleに高く評価され、現在の順位を獲得しています。つまり、上位表示の内容=ユーザーファースト・SEO対策がなされているものと判断できます。

Sさん:「経理の仕事」で検索すると、経理の仕事内容について細かく解説された記事が上位に表示されました。実際に検索して上位記事と自身の記事を比較してみると、情報量の少なさに気付きます……。

K:SEOライティングを始める際には、競合となる上位ページの分析を癖づけてください。検索意図に沿った内容として、どれくらいの情報量が適切か、どのような構成要素が必要か、まずは上位記事を参考に最低限記事で執筆すべき要素を固めると、自ずと記事内容が決まってくるはずです。

ただし全てを真似すると、検索結果に表示されない・検索順位が下がるといったペナルティを受けたり、コピー元からのクレームにつながりかねません。真似するのではなく、必要な要素を参考にする程度にしましょう。

Step 4:タイトル・見出し付け

タイトルは検索結果に表示されるページの名前となりますので、ターゲットの検索意図に対する回答を含ませる内容が好ましいです。

ターゲットが見たくなるようなタイトルを考える際は、本屋で本を選ぶシーンを想像してみてください。つい手にとってしまう本には、キャッチーなタイトルや抱えている課題を解決してくれるようなタイトルが記載されているはずです。

見出しはSEOライティングに関わらず、文章を読むターゲットが、必要な情報へすぐにアクセスできるよう、本文内容を簡潔に表した内容をつけてましょう。

Sさん:タイトル、見出し付け、ここでもユーザーファーストを第一に考えることが重要ですね! 実際に検索してみると、上位記事は似たようなタイトルが多いのはなぜでしょう。

K:SEO対策を講じた結果と言えます。Googleのアルゴリズムでは、クエリをタイトルの先頭近くに入れる方が、SEO効果が高いとされています。また、Googleの検索結果に表示可能なタイトルの文字数は30〜32文字と決まっているため、簡潔かつわかりやすいタイトル設定を心がけてください。

見出しにも狙ったクエリを含ませた方がSEO効果が高くなるとされています。なお見出しは、その種類への注意も必要です。少々テクニカルな話ですが、サイトやページを構成する際にはHTMLと呼ばれる言語を指定する「タグ」を使用します。見出しには「Hタグ」と呼ばれるタグを使用し、H1タグ・H2タグ・H3タグなど階層が下がるにつれ番号が増えます。H3タグの中にH2タグが包括されていては順序がおかしいよね、ということになりますので、内容に応じてHタグも正しい順番で使用してください。

Step 5:クエリとの関連性を高める

実際に文章を執筆する際には、選定したクエリとの関連性が高い共起語や類語を使用してみてください。

共起語とは、ある単語と一緒に使用される頻度の高い単語を意味します。「テレワーク」であれば、テレワークに関する「勤怠管理」や「ネットワーク環境」「セキュリティ」などが共起語として挙げられます。

共起語や類語を使用し、クエリとの関連性を高めることで、クエリ選定では汲み取りきれなかったターゲットニーズを網羅し、テーマに即した統一性のある記事を執筆できます。ただし、無理に記事へ盛り込むと文脈が崩れる恐れがあるため、あくまでもターゲットが読みやすい範囲内での使用を意識してください。

Sさん:「経理 仕事」と関連性の高い用語だと、「求人」、「資格」、「なくなる」、「つらい」など様々な内容が考えられますね。検索上位のページを見ても、見出しや本文に共起語や類語が含まれている印象を受けました。

K:共起語や類語も重要なポイントではありますが、直接的なSEO効果よりも、関連性の高い用語で表現・イメージを膨らませ、コンテンツの質を高める手法として意識すると良いでしょう。ユーザー体験を充実させる内容が検索エンジンに評価され、間接的なSEO効果が期待されます。

Step 6:E-A-Tを考慮した独自性と専門性の担保

記事の評価を高める指標として欠かせないのが独自性と専門性の担保です。

独自性は、競合記事との差別化を図る内容になります。タイトルや見出しなど、上位記事を参考に記事を構成しつつも、この独自性をいかに盛り込めるかが勝負の鍵となります。もちろん、SEOにおいても独自性の担保は重要視されています。クエリとの関連性からブレすぎないよう構成や文章に落とし込みましょう。

専門性を高めることも、Googleからの評価向上につながります。これは、Googleが公表している検索品質評価ガイドラインの「E-A-T」に記載のある項目です。「E-A-T」とは、専門性・信頼性・権威性を意味し、その中の「専門性」を重視したライティングが求められます。例えば、医療系のテーマであれば医師の監修、お金のテーマであればFPに監修してもらうなど、テーマに沿った専門家の意見や監修を盛り込むことで、専門性・独自性どちらも担保できる内容となります。

また、記事を執筆する際に参考とした他サイトの情報・出典元の明示も重要です。特に政府など公的な情報出典であれば、信頼性や権威性も担保できると言えます。

K:今回のテーマである「経理の仕事」の場合、執筆者であるSさん自身が現役の経理ですので、専門性が担保された内容と言えますね。またご自身の体験談も、独自性の観点で非常に充実した内容となります。

Sさん:これからSEOライティングを始める企業のご担当者様も、自社のサービスに近いテーマ・クエリを選定し、開発者やプロの意見を加味した記事にすることで独自性と専門性を担保できますね! 私の場合、体験談がメインとなり独自性が強調されていたので、クエリに即したユーザーファーストな情報を追記してみます。

SEO初心者がゼロイチで書いてみた

ここまでのSEOライティングのポイントを受け、Sさんに原稿を修正してもらいました。当初1500文字だった原稿は、4000文字に増加。最初は何を書いたらいいのか手が止まっていたようですが、SEOの理解を深め構成や必要な情報を整理したことで、自ずと内容が充実し改善されました。

【Sさんの原稿】
実際の記事はコチラ
目次
(h2)経理の仕事について
(h3)一般的な経理の仕事とは?
(h3)サムライトでの経理の仕事
(h2)とある月初の1日のスケジュール
(h2)経理の繁忙期について
(h3)月間スケジュール
(h3)年間スケジュール
(h2)経理のリモートワークってどうなの?
(h2)経理の仕事はきつい?きつくない?
(h2)まとめ

 

K:SEOライティングを意識してみて、執筆に変化はありましたでしょうか。

Sさん:最初に書いた文章は、タイトルや見出しが決められず、思うように手が進みませんでした。SEOの仕組みやGoogleが掲げるユーザーファーストを理解することで、自然と必要な情報は見えてきたように感じます。

ただ制作に集中しすぎると、途端にユーザーを無視して何を書いたらよいのか混乱し、書き上げることが目的になっていました。

K:ユーザーファーストはSEOライティングにおいて最も重要な意識です。制作の途中でも、常に念頭に置きながら構成や検索意図を振り返るようにしましょう。

Sさん:ユーザーが何を求めてこのクエリを検索したのか。求めている回答を想像してから記事の方向性を決めていくべきだと感じました。私は先に原稿を少し執筆していたので、それに合わせた見出し、さらに課題を細分化して見出し設定をしました。

SEO記事は、ユーザーの目線に立ち何を求めて検索したのか、ニーズに答えることができるよう緻密に構成されているのだと感じました。

ユーザーファーストを忘れずに

記事の目的や役割、SEO理解が薄い状態でライティングを始めると、内容がブレたり作業が思うように進まない可能性があります。

SEOライティングを始める際には、まずSEOと検索サービスの特徴を理解し、ユーザーファーストの視点を忘れずに取り組みましょう。ターゲットの課題を解決する記事を制作できれば、検索結果は自ずとついていきます。

正しいクエリ選定とタイトル、見出し付け、情報の整理ができれば、ライティング作業は一気に進むはずです。

サムライトでは、これまで業界問わず様々な分野・領域でSEO記事の制作支援を行ってきました。記事の制作はもちろん、サイト分析や改善提案、コンサルティングまで、お客様の課題に沿った最適なプランをワンストップでお届けいたします。ぜひお気軽にご相談ください!

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