もはやWebマーケティングに力を入れてない企業の方が少なく感じる昨今、Webマーケティングやそれに付随する広告、フレームワークなどの書籍が多く出版されています。
しかしその多さに対し、どの本を読めば何を学ぶことができるのか、どの本が最新のトレンドを抑えたものなのかなどは業界知識がある方でないと判断するのが非常に難しい状況です。
そこで今回は、amazonマーケティングカテゴリで人気のあった書籍を、ウィッシュリストのランキングをベースに以下の項目にてご紹介します。2018年Webマーケティングの振り返りにご活用ください。
どのような人向けの本か、そして、その本から何を学べるのかをご紹介していきます。
目次
①the four GAFA 四騎士が創り変えた世界
対象層:GAFAについて網羅的に知らない人、スティーブジョブズやマークザッカーバーグ等の一部のみ知っているがGAFAを俯瞰的に知らない人向け
内容:Google、Apple、Facebook、Amazon。以上の4つの企業を総称してGAFAと呼び、世界的に大きな影響力を及ぼしている企業とされています。
この本はアメリカ発で既に、22カ国で続々発売されているベストセラーです。
この本では大きく分けて、以下の3つをテーマにしています。
GAFAはなぜ、これほどの力を得たのか
GAFAは世界をどう支配し、どう創り変えたのか
GAFAが創り変えた世界で、私たちはどう生きるか
このように、それぞれの企業についてフォーカスして詳細を記載しているのではなく、GAFAをひとくくりにして、その共通点等を俯瞰的にまとめている本になっています。
GAFAをはじめとする強力や企業はどのようにマーケティングをして今の地位を築いたのかを体系的に学習することができます。
【本書の主な内容】
・GAFAはなぜ、これほどの力を得たのか?
・GAFAが狙い打ちにする「人間の本能」とは何か?
・GAFAに共通する「8つの覇権遺伝子」とは何か?
・GAFAは世界を、どのように創り変えたのか?
・GAFAに続く「第五の騎士」は現われるのか?
・GAFAが創り変えた世界で、僕たちはどう生きるか?……など
②隠れたキーマンを探せ! データが解明した 最新B2B営業法
対象層:BtoBのセールスマン、BtoBのマーケティング担当者
以下、Amazonの主要なレビュー紹介です。
セス・ゴーディン、ダニエル・ピンクが激賞!
B2B営業ほど誤解されている(それもお金がかかる方向で誤解されている)営業はない。その点について重要な視点をくれる本がようやく出た。
セス・ゴーディン(『「新しい働き方」ができる人の時代』著者)質の高い徹底した調査で、マーケターがたどるべき道を指し示す。顧客を理解し、価値をもたらし、成約を勝ち取るための優れた指南書だ。
ダニエル・ピンク(『人を動かす、新たな3原則』、『モチベーション3.0』著者)
(Amazonより引用)
現代は、「モノが売れない時代」といわれています。高品質で手ごろな商品やサービスにあふれ、消費者は多くの選択肢の中から選択することを求められています。
商品やサービスの「機能」だけで売ることは難しいと言われている現代では、顕在的なニーズに対して直接的なアプローチをするマーケティングはあまり効果を持たなくなりました。
機能的なニーズが満たされ、企業にとって消費者の必要とする商品やサービスは「需要を見つけてつくる」のではなく、「需要からつくり出す」ものになりました。機能や品質が均質化され、消費者に重要視されるのは「価値」や「体験」だと言われています。
本書では、消費者の置かれている状況を理解し、消費者の「インサイト」に対してアプローチするコマーシャルインサイトについて学ぶことができます。
【目次】
第1章 顧客とのコンセンサスの「暗部」
第2章 モビライザー
第3章 「忘れさせること」の効能
第4章 コマーシャルインサイトの構築
第5章 コマーシャルインサイトの活用
第6章 モビライザーへの「指導」
第7章 二種類の「適応」
第8章 コンセンサス創造の「支配」
第9章 集団的学習(コレクティブラーニング)の実践
第10章 チャレンジャー・コマーシャル・モデルへの移行
③アナログの逆襲: 「ポストデジタル経済」へ、ビジネスや発想はこう変わる
対象層:Webマーケティング担当者、専門的にマーケティングを学習する人向け
現在、様々な分野でアナログの魅力が再注目され、ヒットしています。たとえば、音楽でもCDの売上は落ち込む一方ですが、アナログ・レコードは世界的に人気が高まっており、売上も大きく伸びています。
また、デジタルの最先端にあるGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)などの企業も、アナログ的発想を重視しはじめています。
いま台頭しているこの流れは、「デジタルの先にあるアナログ」であり、「ポストデジタル経済」へ向かう大きな変化だと、著者は言います。
この本を通して、今後のマーケティングのトレンドとそれに対してGAFA等の大企業がどのような打ち手を行っているのかを把握することができます。
④成約のコード デジタルツールと営業現場を連動する最強ノウハウ
対象者:マーケティング担当者、セールス担当者
本書では、デジタルマーケティングのノウハウをまとめた本ではなく、顧客とのコミュニケーションはどうあるべきなのかについてその重要性を主張しています。
デジタルマーケティングの成長や、テクノロジーの進歩により本来在るべき「企業と顧客の関係性」が失われつつあると主張しており、マーケティングの前提となる顧客との関わり方を学ぶことができる。
【監訳者・神田昌典氏からのメッセージ】
今、デジタルマーケティングを導入できた会社と、それに遅れてしまった会社とでは、表面的には見えないけれど――あまりにも大きな差がついてしまっている。
「なるほど、この本は、デジタルマーケティングのノウハウ本か?」
そうあなたが思われたなら、それもまた、致命的な勘違いとなる。確かに本書では、デジタルツール活用による、速攻的な集客手法を大量に紹介していくが、著者クリス・スミス氏は、決してデジタルマーケティングを信頼していない。
成約につながるのは、あくまでも「顧客とのやりとり」、すなわち営業と顧客とのコミュニケーションだと考え、その大切な人間同士のやりとりをテクノロジーの活用により避けようとするのは、「労多くして益なし」と断言している。
スミス氏は、どれだけ成約したかという数値だけが問われる営業現場で、どのような顧客とのやりとりが、結果につながるのかを見極めてきた。
その膨大な実体験をベースに、「成約率を確実に高める暗号(コード)」を見出すプロセスを公開したのが、本書だ。
私は20年来、マーケティングとセールスに関する書籍については、ありとあらゆる本を読んできているが、この『成約のコード』ほど、デジタル時代とアナログ時代の営業をつなぐ具体的な方法が記されている書はない。
今、あなたが手にしているのは、マーケティングオートメーションとインサイドセールスとを連動する、最強のノウハウなのだ。
⑤稼ぐがすべて Bリーグこそ最強のビジネスモデルである
対象層:Webマーケティング、デジタルマーケティング担当者
Bリーグ(B.LEAGUE)とはジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグの通称で、日本の男子プロバスケットボールリーグのことです。
2015年に創設され、2016年9月22日に開幕戦が行われ、地上波でも放送され大きく認知を拡大しました。
プロバスケットボールリーグというのは実はBリーグが初めてではなく、これまでおよそ20年ほどに及ぶプロリーグ構想が繰り広げられており、1997年に初めてプロ契約した選手が現れ、2000年にはプロチームも誕生しています。
しかしその中で権力闘争が繰り広げられ、結果的に2つのプロリーグが生まれてしまったことから、国際バスケットボール連盟(FIBA)からそれを是正するよう求められ、それを機に統一リーグを発足しようとする動きの中で生まれたのがBリーグです。
本書で最も強調されているのは、「稼ぐ」ことの大切さです。事業として継続的に運営していくのであれば、いかに「稼ぐ」かを考えるのは当たり前のことですが、スポーツはなぜか清貧思想があり、「稼ぐ」ことをないがしろにしているところがありました。
その中で、Bリーグが大きく認知を拡大し、ファンを獲得した背景には「稼ぐ」ためのマーケティング戦略がありました。本書を通して「稼ぐ」ためのマーケティングとは何かを体系的に学習することができます。
まとめ
手法の多様化に伴って、マーケティングに関する情報もまた多様化しています。インターネットなどを通じ多くの情報を得ることができるのは大きなメリットである一方、どうしても部分的、断片的な情報を追ってしまいがちというリスクもあります。
マーケティングを体系的に学び知識を深めるためには、書籍を通じた情報の取得は非常に有効です。今回ご紹介した中に気になる本やまだ読んでいない本があれば、この機会にご覧になってみてはいかがでしょうか。