2018年12月10日に行われた、サムライト主催のイベント“SOME GUILD”。今回は、その第二回の模様をご紹介します。
会場は、親会社である朝日新聞社の「メディアラボ渋谷オフィス」というとてもおしゃれな空間でした。
SOME GUILDとは?
「SOME GUILD」とは、コンテンツエージェンシーであるサムライトが、コンテンツマーケティング・コンテンツビジネスに関する情報収集、意見交換、担当者同士のネットワークを広げる場として企画したコミュニティです。
コンテンツとテクノロジーの力を活用し「広告を情報に変える」「マーケティングの新しいカタチをつくる」ことを目指し、多くのお客さまにお役立ていただけるコミュニティとなるべく、今後も取り組みを強化していきます。
イベントの流れ
第2回のSOME GUILDのスケジュールは、下記の通りでした。
一部:2018年のマーケティング業界を振り返る
最初の登壇者は、CEOの池戸とCCMの加藤でした。
前半のアジェンダは、こんな感じでした。
1. 個が主役の経済 〜浸透するInstagram、TikTok〜
加藤:2018年に、InstagramとTiktokのユーザー数が大きく伸びました。2017年から2018年にわたって、Instagramの日本国内MAUが2000万人〜2900万人まで成長しました。一方、TikTokのダウンロード数も4,580万回を突破しまして、世界一ダウンロードされたアプリでした。また、「TikTok」という言葉は、2018年の新語・流行語大賞にノミネートされました。
池戸:両プラットフォームが成長した背景には、ふたつのポイントがあります。プラットフォームの大衆化とクリエイティブ民主化です。
Instagramの場合、スマートフォンの普及に伴って、誰でもクリエイターになれる時代になったことが挙げられます。カメラを使ったり、コンテンツを撮ったりしていて。
TikTokの場合、踊ることが大衆化されているという背景があります。中・高生にとっては楽しめるアプリで、動画を作りたくなったのです。
また、両プラットフォームにおいて、ユーザーが作成したコンテンツを修正するツールもあるため、コンテンツ作成のハードルが下がっています。
加藤:2019年にも、InstagramとTikTokの動きはどんどん加速していくかもしれませんね。
2. 高まるストーリーの重要性〜ブランドジャーナリズムとブランドスタジオ〜
加藤:さまざまな調査で、マーケティングにおけるストーリーの重要性がわかりました。ストーリーの重要性とあわせて考えたい大きなテーマのひとつが、「ブランドジャーナリズム」です。
池戸:日本では、SEOやSNSによる拡散などのようなテクニック論が多いですが、海外では、「何を使うのか?」「どう伝えるのか?」という点を考えることのほうが重視されています。競合と差別化させるには、商品のファンクションを伝えるだけでなく、ストーリーという手段を使ってユーザーに共感してもらうことが重要と考えられているわけです。
国内で話題になった例といえば、Panteneですね。Panteneは就活生に向けて「髪型の自由」という広告を打ちまして、そんな広告がターゲット層に響きました。ターゲット層にむけて、ブランド価値の意味づけができているので、成功と言えるのでしょう。
3. 2019年は音声UI元年となるか
〜スマートスピーカーの普及〜
加藤:アメリカでは5,000万人以上がスマートスピーカーを使っていますが、日本の普及率はまだ低いとされています。しかし日本でも、音声の領域に着目している企業はますます増えています。今後、顧客と接するための重要なチャンネルになりそうです。
池戸:PCとスマートフォンで検索するキーワードは文語です。一方、声を通してデバイスとコミュニケーションをとるときは口語になります。そのため、音声デバイス向けにはSEO戦略においても口語で考えることが必要となります。
くわえてユーザーが直感的にデバイスと接することを考慮した対応や、検索結果の一位を獲得することが重要になってくるでしょう。今後のコミュニケーション設計に影響を及ぼすのでしょうね。
4. AI時代の本格化〜マーケティングシーンでの活用〜
加藤:AIを活用する側面はいくつかあります。広告クリエイティブの効果を予測するAIも存在すれば、カメラを使って人の感情を読み取れる技術もあるのです。それによって、AIが取得するデータを使って、コンテンツの効果を強化できます。
池戸:AIによる広告運用はそんなに遠くないですね。でも、AIは「仕事を奪う」のではなく、人は人がやるべき仕事に向き合わせるための仕組みです。クリエイティブ作成やマーケティング戦略などに向き合って、より質の良いキャンペーンを実施できます。
5. TRUST、信頼が求められる時代〜プラットフォーマーたちの動き〜
加藤:FacebookとTwitterによる偽アカウントの削除やアドフラウド対策など、プラットフォーム側では信頼性を重視する動きが目立ちました。
池戸:誰でも情報を配信できる時代になっているからこそ、発信する側の責任が重くなっています。ユーザーを裏切らない、誠実に向き合うことは以前よりも求められることになっています。
二部:Instagramのインフルエンサーマーケティング
二部の登壇者は、ソーシャルメディア局長の山下とインフルエンサーの石井さんでした。
はじめに、Instagramをマーケティングに活かせる方法や最近盛り上がっている事例、インフルエンサーの影響などの話を山下が語りました。次に、石井さんとの対談が行われました。
1. 投稿時間の重要性
山下: 石井さん自身のInstagramアカウントのエンゲージメントが伸びている経緯を教えてください。
石井さん:わたしは毎日2投稿を展開しますが、いつも通勤時の朝8時と夜20時にしています。わたしのフォロワーさんが何時に投稿を見ているかリサーチして決めました。投稿時間は毎日同じですから、フォロワーさんに投稿を見る習慣を身につけてもらえます。
2. クリエイティブを作成するときに意識する
山下:投稿のクリエイティブを考えるとき、何を意識しますか?
石井さん:わたしは、フォロワーさんが投稿から何を得たいのかを考えています。コメントを見ると、フォロワーさんが見たかったのは、OLの日常生活とグルメでした。企業の場合、ユーザーは企業のなんらかの情報を求めてアカウントをフォローすると思いますので、ユーザーが求めているものに応えることを意識すると良いと思います。
3. 企業とインフルエンサーの関係性をうまく作れる方法
山下:企業とタイアップするときに、気をつけているポイントはありますか?
石井さん:わたしは事前にその会社の理念と商品を見てから依頼を受けます。PR投稿は通常投稿よりエンゲージメントが低いですね。PR投稿で通常投稿のようにエンゲージメントを獲得したいのであれば、インフルエンサーが自然な形で投稿できることが重要です。
たとえば、撮影の仕方ひとつをとっても、商品を写真の真ん中に入れるのではなく写真の奥に入れると、その人が商品を使っているように見えます。
また、インフルエンサー側としては、PR投稿については曖昧なオーダーをいただくよりも、細かいルールをいただくほうがありがたいです。後から「もっとこうしてください」と言われて何度もクリエイティブを作り直すことになると大変です。そうならないように、最初にすり合わせをさせていただきたいと思っています。
4. その他の話
上記の話を含めて、石井さんは投稿のハッシュタグ設計や自分自身のインフルエンサーとしての実績、フォロワーをたくさん獲得している企業の例など、貴重な話をたくさんしてくださいました。
まとめ
あっという間に1時間のトークが終了し、懇親会が開催されました。
企業同士の交流に加え、サムライト社員も自身が担当していない案件の方とのつながりを作れたので、視野を広げる良い機会となりました。みなさんは名刺交換や情報収集をしながら、おいしいごはんとともに、有意義な時間を過ごされていたようでした。
2018年のマーケティング業界を振り返るだけではなく、今後の注目すべき領域にも話はおよびました。
今後も弊社は、みなさんに役立つイベントを企画していきますので、ご期待ください。
SOME GUILDはじめ、今後のサムライトの動きをぜひチェックしてください!