SNSでキャラクター活用を成功させる方法とは?7つのポイントを徹底解説


こんにちは。サムライトの加藤です。

前回の記事では、企業がSNSアカウント運用に取り組む上で有用な「武器」となり得る「キャラクター」活用について、「認知・記憶」「自分ごと化・拡散」「拡張性」「資産化」という4つのメリットに注目し、事例とともに解説しました。

記事はコチラ:
SNSにおけるキャラクター活用、4つのメリットを徹底解説!【事例紹介含む】

しかし、どのマーケティング施策においても言えることですが、とにかく実施すればなんでも叶えられるわけではなく、ただオリジナルキャラクターを開発すれば必ず成果を得られるというわけでもありません。

そこで本記事では、特におすすめしたいSNSにおけるオリジナルキャラクター活用に取り組むにあたり、成功確率を高め、キャラクター活用のメリットを最大限引き出すためのポイントを7つ取り上げ、解説します。

1. 「なぜキャラクターを活用するのか」を突き詰める

キャラクターにはメリットがある!と散々言ってきた流れで大変言い出しづらくはあるのですが(笑)、まずは冷静に「なぜキャラクターを活用するのか」突き詰めて考えてみることをおすすめします。

言い換えると、自社SNSアカウントにおいて「キャラクターを通じたコミュニケーションが適切(あるいは最適)」であると考える論拠や理由付けを明確にしておく、ということです。

たとえば、以下のようなケースは、キャラクターによる効果が見込みやすいと考えられます。

  • 購買行動において「好き嫌い」の影響が大きい場合の好感度向上(嗜好品など)
  • あまり意識せず、ルーティン的に購入することが多い場合における他ブランドとの差別化(食品・生活用品など)
  • 「難しい」「堅い」印象が強い場合の理解促進・イメージアップ(医薬品・金融など)

 
一方で、ファッションや化粧品などの場合は、キャラクターよりも人を通じてコミュニケーションを進める方が商品に関する理解促進や購入の後押しをしやすいのが一般的です。その場合はタレントやインフルエンサーを活用する方が合理的でしょう。

また、例えばバイオテック系企業が医師や研究者などに対して技術力や開発成果、最新情報を発信するといった場合のように、ターゲットやコミュニケーションしたい内容によっては、キャラクターを介する必要がないシーンもあります。

このように「業界や商品ジャンル」「ターゲット」「コミュニケーションの目的」を照らし合わせたときに、キャラクターを活用する必然性がどれほど高いのか、どれくらい効果のポテンシャルが見込めるのかをまず見極めたうえで、「なぜキャラクターを活用するのか」を明確にすることが重要です。

2. キャラクターの役割・活用の目的を定義する

キャラクターを活用する理由が明確であれば、キャラクターに期待する役割や、活用する目的を定義するのは、難しくないでしょう。

しかしこの部分はキャラクター活用の成否を左右する重要な部分となりますので、「なぜ活用するのか」が明確になっただけで安心してしまうのではなく、あらためて役割や目的がきちんと定義できているか確認することをおすすめします。

最低限、以下の点を明確にするようにしましょう。

  • キャラクターがコミュニケーションを取る相手は誰か
  • キャラクターを通じて何を伝えたいのか
  • コミュニケーションにおけるキャラクターの役割は何か

 
誰に、何を伝えるためのキャラクターなのか。SNS上で期待する役割は何なのか。その点を明確に定義することができれば、オリジナルキャラクターの開発やコミュニケーション設計など、以後の工程をスムーズに進めることができます。

3. 目指す姿を解像度高くイメージする

キャラクターに期待する役割や目的を達成した時にどうなっているのか、ゴールイメージを解像度高く描いておくことも重要なポイントです。

  • そのキャラクターはSNS上でどのような印象を与えていれば、成功といえるのか?
  • キャラクターがどのようにSNS上のコミュニケーションの起点となっていることが、理想の形なのか?
  • 最終的にそのキャラクターがブランドにとってどのような存在になっていれば、目的が達成できている状態なのか?

 
キャラクターが当初想定した役割を果たし、目的を達成できたゴールのイメージ、そしてその手前の段階でキャラクターがどのような存在となり、SNS上でどんなコミュニケーションが発生していれば成功といえるのか。

定量的な数値面のKPIだけではなく、より定性的な状態のイメージを解像度高く描くことで、達成したい未来の姿を実現するためのキャラクターを開発し、コンテンツ運用を進めることができます

反対に、絶対に避けなくてはいけないのは、キャラクターを作ること・使うこと自体が目的となってしまうことです。

ただなんとなく見た目が可愛いキャラクターを作ったとしても、そのキャラクターを通して何をしたいのか、どうなれば成功なのかが定まっていなければ、キャラクターを活用するメリットを引き出すことはできず、そこまでに要したコストも労力も無駄に終わってしまうでしょう。

4. キャラクターの”中身”を詳細に設計する

オリジナルキャラクターを開発する場合において特に重要となるのは、キャラクターの持つ世界観や、発信するストーリーを明確にすることです。

そのためには、単にキャラクターのデザインや三面図(正面・横・背面)、表情などの見た目を決めていくだけでは不十分です。

見た目と同じくらい重要、かつこだわってデザインする必要があるのは、キャラクターのパーソナリティや個性、世界観の基となる背景情報です。こうしたキャラクターの”中身”を緻密に設計することにより、統一された世界観やストーリーに基づき、一貫したコミュニケーションを進めることが可能となります。

逆に、自分たちが表現したいイメージを見た目で体現させるだけにとどまり、中身の詳細が設計されていなければ、SNS上でのコミュニケーションを司り、期待される役割や課せられた目的を果たすキャラクターとはなり得ないでしょう。

友だちを「◯◯さんはこんな人」と紹介できるように、自分たちがデザインしたキャラクターについて、「このキャラクターはこんな人」と説明ができるよう、事前にしっかりと設計することが、オリジナルキャラクター活用を成功させる秘訣です。

5. 長期的にキャラクターを育てていく覚悟を持つ

人がコミュニケーションを積み重ねるうちにお互いを理解し、仲良くなっていくように、新たに生まれたオリジナルキャラクターがSNS上で人々に受け入れられ、ファンを獲得し、ブランドと紐づいて定着するまでには、一定の期間とコミュニケーションの積み重ねが必要です。

さらに、「くまモン」のようにキャラクター自身が資産といえるレベルに達するには、相当な規模で露出し、キャラクター自身が生活者との様々な接点でインパクトを与えられるような活動を推進していくことが求められます。

つまり、キャラクター運用は長期的な施策として捉え、しっかりとリソースをかけながら地道に取り組む覚悟を持つことが大切です。

きちんとキャラクターを育て、そのメリットを十分に引き出すという観点からは、最低でも3~5年のスパンで取り組む覚悟が必要だと私は考えています。

もちろん、必要なのは期間だけではなく、きちんと手間をかけて丁寧に育てていかなければなりません。しかし、時間も手間も惜しまず、ブランドへの投資と位置づけて取り組むことができれば、重要な資産となり、他ブランドのコラボレーションなど展開の幅を広げ、より大きな効果を生むこともできるでしょう。

また、そのためにも、「SNSにおける一時的な話題性やバズること」ではなく、「日々、生活者やファンと良質なコミュニケーションを積み重ねること」を重視した考え方を担当者・チーム内・社内で統一して持つことが重要となります。

6. 継続的に改善を重ね、SNS上でのコミュニケーションを進化させる

他のマーケティング施策と同様、正しい目的設定を行い、どれだけ緻密に設計したとしても、実際に運用を始めると、思い通りにはいかないことも多々出てくるのが現実です。

したがって、当初の設計に基づきキャラクターを運用し、SNS上でコミュニケーションを進めていくだけではなく、その結果がどうなっているのか定期的に振り返り、状況に応じて見直しを図ることが重要です。

こうした定期的な振り返りや見直しを行っていないと、「認知だけは広がっているが本来の目的達成には貢献していない」「一部のファンの熱量は高いが認知されていないため、役割を十分に果たしていない」「時間の経過とともに新鮮さがなくなり飽きられてしまう」というような問題が起こりやすくなります。

また、運用期間が長くなってくると、「発信している側」の感覚が麻痺してしまい、正しく状況を観察・判断できないということも起こり得ます。キャラクターに対する愛着が強すぎて、正しく現実を受け止められない…というのでは本末転倒ですし、その後の適切な運用が難しくなります。

必ず、SNS上でユーザーからどう見られているのか、ファンがどう感じているのか、リアルな声に耳を傾けるようにしましょう。状況によっては、外部のマーケティングパートナー等から客観的なアドバイスを受けることも有効でしょう。

キャラクターを活用する理由や、その役割、目的の達成に向けてコミュニケーションを常に進化させ、必要な改善を積み重ねることができれば、キャラクターがやがてSNSの枠を超え、様々なプレイスメントで活躍する存在となり、ブランドにとっての重要な資産となることが期待できます。

7. キャラクターのイメージや世界観を適切にマネジメントする

成長し、進化させていくことと共に、キャラクターのパーソナリティや個性や世界観など、変わってはいけないものを守っていくことも大切です。

企業としてどうしても発信したいことがあっても、そのキャラクターに期待されている役割や、SNS上でユーザーに持たれているイメージとマッチしない内容は、無理にキャラクターを通じて発信しないように気をつけましょう。

ここで重要なのは、発信する側の見解だけではなく、受け取る側のユーザーやファンが持っているイメージを大事にすることです。受け取る側が「このキャラクターはこんなことを言わない」という違和感を感じると、重要なメッセージが、かえってマイナスに捉えられてしまいます。

また、キャンペーンや他ブランド、他のキャラクターとのコラボレーションなどの機会についても、必ずキャラクターにとって適切なものかどうか、同じくブランド側・受け取るユーザー側双方の視点から検証することが必要でしょう。

短期的な利益を優先して、イメージや世界観を損なってしまわないよう注意してキャラクターを育てていくことが、最終的な成功、当初描いた理想の姿に到達するためには欠かせません。

このようにキャラクターの成長やコミュニケーションの進化と、パーソナリティや個性や世界観などキャラクターを見守る人々から「変わらないこと」が期待されている部分の維持とを両立させる適切なキャラクターのマネジメントは、キャラクターの中長期的な活用における重要なポイントとなります。

キャラクターをSNSで成果を創出する「武器」として有効活用するために

多くの情報が氾濫しているSNSの世界。その中で企業やブランドが自分たちの発信を生活者に受け取ってもらうためには、人々はすでに受け取りきれないほどの情報と接し、そもそも企業からの発信に興味を持っていないという前提からスタートしなければなりません。

まるで「素手で戦う」かのように、ただ自分たちが伝えたいことを発信していくだけでは、成果を期待することはおろか、コンテンツやアカウントが生活者の目に留まることすら難しいのが現実です。

だからこそ、SNS上で目に留まり、記憶に残り、好感を抱かれ、ファンを獲得できる「武器」となり得るキャラクター活用には検討する価値があるといえます。

キャラクター活用を検討・推進されるマーケティング担当、SNSアカウント運用担当のみなさまに、このシリーズの前後編を通じて解説した内容が参考となれば幸いです。

また、キャラクター活用に「興味はあるけれど、成功させるのは難しそう」「自社内でゼロから取り組むのは不安」とお考えの方、特にオリジナルキャラクターの開発~コンテンツ運用に興味をお持ちの方は、ぜひお気軽にサムライトにご相談ください。

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ABOUTこの記事をかいた人

加藤 真守

システム会社のセキュリティエンジニア、コンサルティング会社の社内システム・マーケティング・広報担当マネージャーを経てサムライト入社。2018年4月より奄美大島に移住し、現在は広報・PRを担当するブランドコミュニケーション室・商品開発を担当するプロダクトディベロップメントDiv・奄美大島支社を統括。