LINE公式アカウント運用における3つの主要KPIを伸ばすための対策を徹底解説!


こんにちは!サムライトの北澤(LINE Green Badge保有)です。

店頭などリアルな場での対面コミュニケーションがまだまだ難しい昨今、オンラインでの顧客とのコミュニケーションを強化する目的で、企業がLINE公式アカウントが活用するケースが増えています。

企業がLINE公式アカウント運用に取り組む際、その目的は主に、「新規顧客(売上)の獲得」「LTVの向上」「ファンの育成」などが挙げられ、目的に応じたKGI/KPIが設定されるわけですが、その基本となるのが、アカウントからの定期的な情報発信によるユーザーとの継続的なコミュニケーションです。

そして、コミュニケーションの効果を最大化するためには、次の3つの指標(KPI)を高めることがカギとなります。

  • ターゲットリーチ数
  • メッセージ開封率
  • メッセージクリック率

本記事では、LINE公式アカウント運用のベースとなるこの3つのKPIを改善・向上させるためにどのような対策をとるべきか、その具体的な方法やポイントを詳しく解説していきます。

KPI①:ターゲットリーチ数

LINEでは、属性に応じてメッセージを配信できる対象ユーザー数を「ターゲットリーチ」と呼びます。

友だち数:友だちとして追加したアカウント数

ターゲットリーチ数:友だち数から、ブロックしたアカウントと属性不明アカウントを除いた数

 
ただ友だち数を増やしてもブロックされてしまってはそもそもコミュニケーションがとれなくなってしまうため、LINE公式アカウント運用では実質的なリーチ規模を表す「ターゲットリーチ数」を増やすことがまず重要となります。

ターゲットリーチ数を増やすための2つの対策を、具体的な手法とともにご紹介します。

対策1:質の高い友だちを集める

アカウントをブロックせず、メッセージを配信するたびにきちんと開封・反応してくれるユーザーが理想的であり、こうした”質の高い”友だちを多く集めることが、LINE公式アカウントの運用効果を高めるためには不可欠です。

”質の高い”友だちを増やすためには、主に以下の2つの取り組みが有効だと考えます。

1. 他チャネルで既に関係値ができているユーザーをLINEの友だちへと誘導

各種SNSアカウントやオウンドメディア、ECサイトなどを通して既に自社を認知し、一定のエンゲージメントを獲得しているユーザーは、LINE公式アカウントにおいても質の高い友だちとなる可能性が高いと言えます。

各チャネルにおいて、常に友だち登録への導線を用意しておくほか、クーポン配布やスタンプ配信などのインセンティブとともに友だち登録キャンペーンを定期的に実施してLINEの友だち登録を促しましょう。

2. クロスターゲティングを利用した「友だち追加広告」を活用

ターゲットリーチの規模を拡大させるには、新規ユーザーの取り込みも必要です。

そこで有効な手段のひとつが、友だち獲得を目的とした広告配信メニュー「友だち追加広告(CPF)」です。この広告では、LINE公式アカウント内でこれまでメッセージ開封やメッセージクリックした質の高いユーザーデータから類似拡張したターゲティング配信が可能で、これにより質の高いユーザーを効率的に獲得することができます。

対策2:ブロック率を下げる

様々な手法で友だちを集めても、ブロックされてしまってはターゲットリーチ数の増加にはつながりません。そのためブロック率を下げるための取り組みも必要です。そこで続いては、ブロックを減らすための4つの方法をご紹介します。

なお、ブロック率が10%以下であれば”優秀”なアカウントと言えます。LINEスタンプで大量の友だちを獲得した場合などは、アカウントに対して関心の低いユーザーも一定数含まれるため、ブロック率は50〜60%まで上昇します。

1. 過去のメッセージへの反応からユーザーの傾向を掴む

LINE公式アカウントに備わっている分析ツールでは、配信したメッセージに対するユーザー属性ごとの詳細なデータを見ることができませんが、配信時に属性別に分けて配信することで、属性ごとに開封率やクリック率を把握することは可能です。

少々手間にはなりますが、このようにセグメント配信することで、どのようなメッセージに対してどの属性が良く/悪く反応するのかといった傾向を掴むことができ、今後のメッセージ設計に反映させることができます。

2. チャットボットを活用して、より精緻なセグメント配信を行う

ブロック率を下げるだけにとどまらず、ユーザーとの良質なコミュニケーションを実現するためには、そのユーザーが本当に求めている情報やコンテンツを届けることが不可欠です。

そこで有効なのが、チャットボットの活用です。

anybot(R)のようなチャットボットを活用すると、アンケートを通してユーザーのインサイトやニーズをデータとして蓄積し、そのデータに基づいて細かくセグメント配信できるようになります。

例えば基礎化粧品メーカーであれば、乾燥肌に悩むユーザーと、脂性肌に悩むユーザーそれぞれに対して、お手入れ方法やおすすめ商品の情報を出し分けるといったことが可能です。

これにより、ユーザーにとってより有益なメッセージとなり、ブロック率の低下を期待できるほか、メッセージ通数も削減できるため、コスト効率の改善にもつながります。

3. ユーザーのリアルな意見を集める

LINE公式アカウントでは、メッセージの一種として「リサーチ」と「アカウント満足度調査」という機能が用意されており、これらを使ってユーザーの声を集めることができます。

「リサーチ」はいわゆるアンケート機能のことで、通常はサービスに対する意見や感想を集める際などに活用されていますが、アカウント運用に対する意見を聞くことももちろん可能です。配信費用は、通常のメッセージと同じ扱いです。

「満足度調査」は、アカウントに対する満足度を10段階で評価してもらうもので、無料で実施できます(90日間で1回まで)。

このようなユーザーの生の声を集めて今後の運用に反映させることで、アカウントに対する満足度を高め、ブロック率の低減を目指すこともできます。

4. 通知オフを促す

メッセージ自体には不満がなくても、配信頻度が高く、その度にプッシュ通知が届くことに対して煩わしさを感じてブロックしてしまう可能性もあります。

そうしたブロックを回避するために、友だち追加後に最初に配信される”あいさつメッセージ”で「通知が多いと感じた場合には、通知をオフにしてください」といった形で、プッシュ通知のオフ設定を促すのも、すぐに実践できる一つの方法です。

KPI②:メッセージの開封率

LINE公式アカウントは、アルゴリズムによってリーチが左右される他のSNSとは違い、メッセージを確実に対象ユーザーに向けて送信することができます。しかしメッセージを見てもらうためにはまず開封してもらう必要があり、メッセージ開封率も重要なKPIのひとつとなります。

LINE公式アカウントでのメッセージ開封率の平均は60〜70%と言われていますので、現在この水準に達していない場合は、次の2つの方法を参考に開封率の向上を目指しましょう。

対策1:メッセージタイトルで興味を引く

メッセージの開封率を大きく左右するのが「メッセージタイトル」です。メルマガでいえば”メール件名”にあたるもので、プッシュ通知時やトーク一覧で表示されるこの短いメッセージタイトルでいかにユーザーの興味を引くかが、開封率を高める上でのカギとなります。

コンテンツ内容そのものがユーザーの関心を引くものであることは大前提として、その上で、以下のようにユーザーの興味を引く工夫をしてみます。

・キャンペーン情報などおトクさの強調
・タイムリーさの強調(時間限定キャンペーン、新発売、時事ネタ等)
・呼びかけや問いかけ
・絵文字などを使った装飾

デフォルトで用意されているA/Bテスト機能なども活用し、より開封率の高いメッセージタイトルの形を見つけていきましょう。

対策2:開封履歴のあるユーザーのみをリターゲティングして配信

過去のメッセージを開封したユーザーを抽出した配信先リスト(オーディエンス)を作成し、メッセージ配信時にそのオーディエンスのみを対象に配信することも可能です(インプレッションリターゲティング)。

ブロックはしていないものの、ほとんど開封しないユーザーも中にはいるため、そうしたエンゲージメントの低いユーザーへの配信を止めることで、開封率の向上とメッセージ通数の削減が可能です。

KPI③:メッセージのクリック率

LINE公式アカウント運用の目的にもよりますが、LINE内でコミュニケーションを完結させるのではなく、WebサイトやECサイトなどに遷移し、より深い情報に接触してもらうことでエンゲージメントを深めていくのが、よく見られる運用設計です。

そのため、コミュニケーション効果を高める上では、メッセージ内の各種リンクのクリック率も重要なKPIとなります。

クリック率を向上させるための2つの対策をご紹介します。

対策1:クリエイティブで興味喚起を図る

コンテンツや情報の内容自体に価値があっても、「もっと知りたい!」「商品を見ていたい!」と思ってクリックしてもらうためには、興味を引く魅力的なクリエイティブが不可欠です。

興味を引くためには、以下にご紹介する視覚的に訴求力の高い画像タイプのメッセージと、テキストメッセージの吹き出しを上手に組み合わせて構成するのがおすすめです。

■ リッチメッセージ

「リッチメッセージ」は画像とテキストを組み合わせて構成する、比較的自由度の高いメッセージ形式です。
フォーマットだけでなく、キャッチコピー、写真やイラスト、CTAの文言の組み合わせなどによってもクリック率は大きく変わるため、PDCAを繰り返して、反応率の高いリッチメッセージの形を見つけていきましょう。

▽リッチメッセージを使ったクリエイティブ表現は無限大

▽リッチメッセージのフォーマット(引用元:LINE for Business

■ カードタイプメッセージ

横方向にスライドできるカルーセル式の「カードタイプメッセージ」では一つのテーマに対してより多くの情報を提供することができます。情報量を増やし、より強く興味喚起することでクリック率が向上したという実際の事例もあります。

▽オウンドメディアのコンテンツや商品ラインナップをカルーセル式で紹介した事例

対策2:クリック履歴のあるユーザーのみをリターゲティングして配信

上でご紹介したオーディエンス設定では、過去にメッセージをクリックしたユーザーだけを抽出して配信するクリックリターゲティングも可能です。

過去にクリックしたことがある、よりエンゲージメントの高いユーザーに絞ってメッセージを配信することで、クリック率の向上とともにメッセージ通数の効率化が図れます。

丁寧なPDCAでLINE運用の成功パターンを見つけよう

アルゴリズムによってリーチ規模が変わったり、ユーザー同士のつながりやエンゲージメントが大きな意味を持つ他のSNSと異なり、企業と友だちのクローズドな1to1コミュニケーションが軸となるLINE公式アカウントの運用の構造は比較的シンプルということができます。

だからこそ、今回ご紹介した3つのKPIをいかに向上させるが運用効果を高める上での重要なポイントであり、運用担当者はこの点にしっかりと向き合い、各種機能を上手に活用しながら日々の運用の中でしっかりPDCAを回していくことが成功への近道となります。

LINEの正規販売代理店としてLINE公式アカウント運用の支援を行っているサムライトでは、効率的な友だち獲得やチャットボットの効果的な活用、LINEの特性を生かしたクリエイティブ制作などに関して、多くの知見を蓄積しています。

「社内の運用では思ったように改善しない」「アカウントをもっとグロースさせたい」といった課題をお持ちの企業さま、ぜひお気軽にサムライトまでご相談くださいませ!

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ABOUTこの記事をかいた人

北澤 孝祐

大手SIerのソリューション営業を経て、2019年にサムライト入社。 アカウントエグゼクティブ部門のプランナーとして、ソーシャルメディア領域を中心に多くの企業様のデジタルマーケティングプラニングを支援。 長野県出身で趣味は野球とゴルフ。