2月7日~8日にかけて東京ビッグサイトで開催された、「コンテンツマーケティングジャパン2019」。コンテンツマーケティングをテーマとした大規模イベントに、サムライトもブースを出展しました。ご訪問いただいたみなさま、ありがとうございました。
また2月8日には、海外で盛り上がっている「アンバサダー」というテーマをもとにセミナーも開催。多くの方にご参加いただきました。今回は、そのセミナーの内容をレポートし、次世代のインフルエンサー活用について考えます。
セミナーに登壇したのは、サムライト代表の池戸、ソーシャルメディア局長の山下。ゲストとして、Instagramで人気のインフルエンサー、石井さんにお越しいただきました。
目次
Instagramとインフルエンサーマーケティングの現状
山下:Instagramの国内ユーザーは1年で2,000万人から2,900万人まで成長しました。また、Instagramを使用する企業も1万社を超えています。さらに、IGTVやショッピング機能のような取り組みによって、Instagramは消費者にリーチするための非常に重要なプラットフォームになっています。
こうした背景のもと、インフルエンサーマーケティングは、73%の企業に活用されています。しかし実際にインフルエンサーが及ぼす影響力はどのようなものでしょうか?
サムライトが実施した調査によると、「好きなインスタグラマーの投稿を見て、商品を買ったことがありますか?」という質問に対して、「買ったことはある、もしくは興味を持つようになった」と86%の人が回答しました。
また、「好きなインスタグラマーの投稿を見て、ブランドのファンになったことがありますか?」という質問に対して、「ファンになったことある、もしくは興味を持つようになった」と84%の人が回答しました。
次世代のインフルエンサー活用のポイント
山下:次世代のインフルエンサー活用はリーチ重視のプロモーションからエンゲージメント重視に進化していくと考えられます。
フォローが多いだけのインスタグラマーのオーディエンスを狙うよりも、情報への信ぴょう性があって商品に対するロイヤリティも高いインフルエンサーを活用し、エンゲージメントの質を高め、効果を最大化する、という形が主流となるでしょう。
インフルエンサーはPRの投稿者からブランドのパートナーになりつつあります。1回だけの投稿や短い宣伝期間の場合、インフルエンサーはクライアントや商品の背景、意図をくみ取ってフォロワーに伝えるのがなかなか難しいものです。また、インフルエンサーマーケティングに取り組む企業が増える中、ユーザーはスポットのPR投稿を「広告」として捉えるようになっています。
そのため、より効果を高めるためには、継続的なプロモーションを行うことが鍵となります。長いスパンの取り組みによって、インフルエンサーのモチベーションとロイヤリティが高くなり、ブランドや商品への想いを含めて、効果的かつ自然な形でブランドのストーリーをフォロワーにきちんと伝えられます。
またインフルエンサーと長期契約を結び、キャンペーンのPDCAを回すことができれば、何回かに渡ってプロモーションの効果を最大化していくことが可能となります。
サムライトは、そんなインフルエンサーを「ブランドアンバサダー」と呼んでいます。
ブランドアンバサダーとは
山下:ブランドアンバサダーとは、企業と契約を結び、ブランド理念を理解しながら情報を配信するインフルエンサーのことです。従来のインフルエンサーと異なり、ブランドアンバサダーはPR投稿に限らず、イベントの出演や商品開発サポート、POP広告への登場など、さまざまな場面に登場することができます。
実際、海外では売上アップやCPA改善、会員増加などを見せる事例が広がっており、62%の企業がアンバサダーと契約を結んでいるというデータも出てきています。
効果を上げる5つのポイント-PARCS理論
池戸:サムライトでは、数百案件を分析しました。その結果、インフルエンサーマーケティングの効果を最大化するためには、おさえるべき5つのポイントがあるということが分かってきました。
池戸:それぞれの頭文字を取って「PARCS理論」と名付けています。パッション、アクティブ、リテンション、コミュニティー、ストーリーテリングという5つの要素が、今後のインフルエンサーマーケティングにおいて重要となるでしょう。
というのも、消費者がInstagramを使うのは、テレビと違って「リアル」を求めているからです。そんな「リアル」を実現できるのが、アンバサダーです。
たとえば、「インスタグラマーが愛用している商品を買いたくなりますか?」という質問に対して、「商品を買った、もしくは興味を持つようになった」と81%の人が回答しました。
また、インスタグラマーの商品が欲しくなるときは、「インスタグラマーが本当におすすめしているとき」と回答した人は44%で、「広告っぽくない投稿であったとき」と回答した人は約37%です。
消費者は瞬時に「フェイク」を見抜くため、「リアル」が求められている時代になっています。
インフルエンサーと考える「ブランドアンバサダー」の可能性
池戸:ここからは石井さんに実際のインフルエンサーの声をお伺いしたいと思います。好きなブランドとそうでもないブランドはどちらもあると思いますが、どう対応しますが?
石井さん:そこまでブランドを知らない場合、企業のHPと口コミを調べたりします。ただ代理店をクライアントの間に挟む機会が多く、実際にクライアントとお会いできるチャンスが少ないため、投稿内容が薄くなってしまうケースもあります。
あまり知らないブランドでも、たとえばお会いしてお話を伺えれば、開発ストーリーや商品の好きなポイントを投稿に含められ、結果として反響も多くなります。
池戸:そのうえで、ブランドと石井さん自身のストーリーや文脈を繋げるために、工夫していることはありますか?
石井さん:わたしのアカウントの世界観は「普通のOL」です。そのため、ユーザーへの自然な商品の見せ方として、わたしは日常生活でどんなふうに商品を使うのかということが入口となります。
池戸:継続的な仕事をもらうこと、PDCAを回したことはありますか?また、どんなことをやったのでしょうか?
石井さん:とある企業からご依頼をいただいて、ユーザーの反響次第で再度ご依頼いただく場合もあります。たとえば、本来は女性向けのサービスだと思われていたサービスを、男性にもトライアルを行ってみようとなり、投稿2回目のときに、より男性寄りにしてみました。
池戸:ブランドとユーザーの間にコミュニティーが生まれるのは理想ですが、石井さんはそういう事例をご存知ですか?
石井さん:わたしは本当にビールが好きなのですが、ビールの新商品をPRした際に、ユーザーもその商品を購入してわたしの投稿にコメントしてくれました。そんなコメントを見ると、「ユーザーとつながってるんだな。Instagramをやってよかった」と感じます。
ブランドアンバサダー活用を支援する新サービス「SAME」
本セミナーのおわりに、サムライトが開発したインフルエンサーマーケティングサービス「SAME」を発表いたしました。
「SAME」とは、
「SAME」を通してアンバサダーを起用し、彼らの熱量を活かすことで企業が発信したいストーリーを消費者に適切なカタチで届けることができます。より詳細をご覧になりたい方は以下のサービス紹介ページをご覧ください。
全ての企業にブランドアンバサダーを
インフルエンサーの影響力は大きくなっている一方で、顧客は「フェイク」や「広告」にますます敏感に反応するようになっています。こうした中で、企業、またマーケティング担当者にとって、ユーザーにとって最適な形で、自分たちが伝えたい情報をどのように届けるのかは大きな課題といえます。
そのひとつの選択肢として、「SAME」を通じたブランドアンバサダー活用について、ぜひご検討いただきたいと思います。
本セミナー、またこの記事が、インフルエンサーマーケティングの現状とこれからのインフルエンサーマーケティングについてあらためる良い機会として役立てば幸いです。
今後もサムライトは、みなさんに役立つサービスを開発してまいります。