“キラキラ女性社員”が運営するトレンダーズのオウンドメディア「SOCIAL GIRLS LAB.」


連載「メディアメーカー」

 

スタートアップに特化した情報や考察を発信するブログメディア、

「The Startup」編集長の梅木雄平がメディアにまつわる人々を取材し、

メディアの未来を紐解いていく。

 

メディアメーカーでは今回から4回に渡り、秀逸なオウンドメディア運営者への取材を通して、オウンドメディアの立ち上げ方や運用方法を紹介していく。第一弾は、女性向けマーケティング企業トレンダーズが運営する「SOCIAL GIRLS LAB.」を紹介する。

トレンダーズは、実名顔出しの社員10名と数名の社外メンバーによる「女性」「ソーシャル」を軸としたコンテンツを発信している。今回は、「SOCIAL GIRLS LAB.」事業責任者の成井五久実氏に話を聞いた。


(写真:成井五久実氏)

 

「SOCIAL GIRLS LAB.」をきっかけにマーケティングの問い合わせが増加

SOCIAL GIRLS LABは2013年11月からのスタートだ。「女性マーケティングならトレンダーズ」と思ってもらうためにブランディングを強化する必要性を感じていたという。

成井:「アベノミクスで女性の社会進出がクローズアップされており、当社は女性の管理職が一番多い会社として東洋経済オンラインに取り上げられるなど、女性のブランディングを強化したいという想いがあります。元々、ソーシャルメディアマーケティングに強い会社なので、ソーシャルメディアをよく活用する女性の実態に焦点を充てた情報発信をすると良いのではないかとのことで、SOCIAL GIRLS LAB.を始めました」

トレンダーズは企業からの女性向けマーケティングの引き合いが多い。女性向けマーケティングを考える際に有用となるのが、現代の女性が何を考えているのかなどの、実態を把握することだ。

例えば、現代女性の「ソーシャルメディア利用実態調査」では女性がよく使うソーシャルメディア1位がLINE、2位がYouTubeという結果が出ている。筆者にとっては、YouTubeがFacebookやTwitterを凌駕していることは驚きであった。化粧品会社などが女性の化粧のプロセスを動画で流しており、たしかに記事よりも動画の方が伝わるので、そうしたコンテンツが人気になるのも納得である。

成井:「一般人でもYouTubeで個人アカウントを持ち、積極的に動画を発信する人間が増えてきました」

特にYouTubeによる情報発信に意欲を出す人々は「YouTuber(ユーチューバー)」と呼ばれ、動画内でも企業商品のレビューをしていることがあるのだとか。この「YouTuber」達の行動は企業のマーケティング活動を考える際に役立つ一方で、一般女性にも関心を持たれる。メイク動画はその典型例であろう。

企業側の認知を上げることでマーケティングプランニングなどの問い合わせを増やし、一方では一般女性に対してトレンダーズの認知度を上げる。オウンドメディアを上手くマーケティングに繋げているのだ。また、法人向け個人向け両方の認知獲得を目指し、月間100万PVを目標として掲げている。既にSOCIAL GIRLS LAB.経由での問い合わせからタイアップに発展するなど、成果が出始めているようだ。

オウンドメディアを通して社員のタレント化を推進するトレンダーズ

成井氏はSOCIAL GIRLS LABの責任者を務めているが、専任ではなく他の業務と兼業している。トレンダーズの女性社員10名及び数名の社外メンバーを中心に、今後は外部の女性ライターからの寄稿も募っていくという。社外メンバーにはシンデレラプランナーの三村愛さんなどがおり、WEB業界で活躍している女性たちを囲い込んで、社内社外問わずコンテンツをより充実させて展開していく予定だ。

「トレンダーズを代表する女性が、SOCIAL GIRLS LAB.を彩ります。」

注:某有名シャンプーのコピーのパクリです

SOCIAL GIRLS LAB.」は女性社員がキャラを全面に押し出し、「ソーシャル」「女性」を軸としつつも各々で細分化したテーマを持って執筆していくというのが特徴的だ。メディア上でもカテゴリーが各執筆者の名前となっている。トレンダーズの女性社員たちは個人で多少ブログをやっていたくらいで、ライター経験はほとんどない。素人の女性が素人目線で書くということをテーマにしているようだ。

テーマの例としては、

「ソーシャルメディア×オンナの消費」(豊田弥生)

「リアル女子のハヤリモノ。」(松田明日香)

「SG的トレンド!」ソーシャルガールたちの間での流行りものをレポート(注:トレンダーズ媒体「womedia」からの情報を元に作成 三科友理香)


上記のリンクから飛べるように、執筆者の個人ページを設け、そこから問い合わせることができる。オウンドメディアを通して顔が見える社員が情報を発信し、「この社員と仕事してみたい」と企業側から直接依頼が来ることもあるという。

社員のタレント化」は非常に重要な経営課題であると筆者は感じている。東洋経済オンライン佐々木編集長の取材でも、「サラリーマンイノベーター」というキーワードもあり、注目すべき分野だ。

タレント化した社員による情報発信でその企業のブランディングを強化する。誰にでもできる仕事を担うのではなく、指名が取れるようなタレント化した社員を、社内の枠に閉じ込めておくのはもったいない。そうした社員を上手く活用できるか否かで企業の人材の質に大きな差が付いていくであろう。トレンダーズは「はあちゅう」に代表されるタレント化した社員がおり、SOCIAL GIRLS LAB.を通してタレント社員を育てていく姿勢は先端的な企業ブランディングといえる。

女性社員10名がどんなテーマの記事を書いているのか。お馴染みの梅木雄平マップ(ポジショニングマップ)でお届けしよう。読者の皆様に、トレンダーズ女子のクオリティをお楽しみいただきたい。

 

 

バリキャリ女子理想の「新三高男性像」の記事がヒット!

実際にはどのようにネタを考えているのだろうか、自称キラキラ女子担当の成井氏はこう語る。

梅木:「実際にどのようにネタを考えているんですか?」

成井:「当社媒体のwomediaのアンケートを元に記事を執筆する社員もいますが、私は周囲のキラキラ女子による定性的なヒアリングを元にインサイトを得ています。インターネット企業に勤務している友人を中心に、ソーシャルメディアで積極的に自己発信している50〜200人の生態の観察からネタを考えます。恋も仕事も100%全力投球な女性が多く、そんな女性が恋愛相手に求めるイマドキの理想の男性像ってなんだろう?と考えて思い付いたのが、新『三高』(サンコウ)の記事でした」

参考『新「三高」(サンコウ)は年収、☓、△‥!?バリキャリ女子理想の男性像』

たしかに現代の女性が恋愛相手に求める条件は筆者も気になる。詳しくは上記記事を見ていただきたいが、ざっくりいうと

・1980年代末のバブル景気全盛期の三高

⇒「高学歴」「高収入」「高身長

・2000年バブル崩壊後時は三平

⇒「平均的な年収」「平凡な外見」「平穏な性格

・2013年のバリキャリ女子の三高

⇒「高収入」「温厚」「社交

 

温厚社交が入るとは!冷徹で非社交的な筆者は少し反省したのであった。。。

トレンダーズ女子の生態に関しては、成井氏はこう語る。

成井:「トレンダーズ女子は平日ストイックに仕事に打ち込んでいます。週末はパーッと遊ぶこともありますが、ビジネス第一ですね」

ストイックに仕事をするトレンダーズ女子は「キラキラ女子」ではなく、それに対抗した「ギラギラ女子」に近いのかもしれない。

最後に、トレンダーズでは女性のアイディアを100万円で買い取るコンテストである「WOMEN IDEA CONTEST」を開催しているという。アイディアだけで100万円だ。ちなみに本日(3月17日)が応募締め切り日。気になる方は応募しよう!

 

※somewrite編集部からのお知らせ

今回ご紹介した「SOCIAL GIRLS LAB.」が本日よりsomewriteで掲載開始!

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プロフィール

成井五久実

東京女子大学卒業後、㈱ディー・エヌ・エーでメディア運用と広告営業の経験を経て、トレンダーズ㈱に転職。
現在は女性マーケティングのスペシャリストを目指し、女性のリアルインサイトを踏まえた戦略的PRのプランニングとセールスを行う。

 

著者プロフィール

梅木雄平

The Startup」編集長。慶應義塾大学卒業後、複数のスタートアップ企業での事業経験を経て、独立。スタートアップ業界のオピニオンメディアThe Startup運営の他、東洋経済オンラインへの寄稿も手掛ける。3月20日に単著「グロースハック」を発売予定。