「セックスネタは封印します」女性向けメディアANGIEが方針転換!キーワードは「しあわせ」


「しっかり恋して、しっかり生きる」をコンセプトに、30代女性のライフレシピや恋愛コンテンツを提供してきた「ANGIE(アンジー)」が、このたび女性の「しあわせ」というテーマを扱うメディアへと方針転換するという。

Menjoy!やハウコレ、AMなど、過激なコンテンツも含んだ女性向け新興メディアが急成長し注目を集める中、後発として昨年の7月に立ち上がったANGIE。

その方針転換に至った経緯と今後の方針について、ANGIE編集長のひとみしょう氏と編集部の秋田英美氏にお話を伺った。

(写真左:ひとみしょう氏、右:秋田英美氏)

 

「セックスネタ」は封印!?方針転換の理由とは?

−まずは、ANGIE(アンジー)の立ち上げ背景を教えてください。

秋田:弊社は、自社メディア運営事業とオウンドメディアの支援事業を展開していますが、企業様のオウンドメディア支援を行っているうちに、女性向け媒体を作って欲しいというニーズを多くいただきました。

そこで、ターゲットとなる30代女性のインサイトを得るという目的のもと、昨年の7月にANGIE(アンジー)を立ち上げました。

ひとみ:立ち上げ当初は女性向けwebメディアの後発として参入するにあたり、幅広く30代女性を応援するようなサイトにしよう、と。大手女性向けメディアでもよく見られるような恋愛ハウツーコンテンツや、セックスレスや不倫といった過激なネタも一部出したりしながら半年ほど運営を行ってきました。

ただ、PVはある程度の規模になってきたのですが、

同時に「このままで良いのか」という疑問も芽生えてきたのです。

こうしてPV数を積み上げていった先に、果たして何があるのかな?と。

そこで、方針変換に踏み切ることにしました。

これまでのようにただPVを積み上げるのではなく、しっかりと読者に向き合って対話できるメディアを目指そうと。

具体的には、女性の「しあわせ」をテーマとして掲げていこうと思っています。

新キャッチコピーは「ちょっぴりたいへんだけど、私は元気です。」!

30代の女性に対して、恋愛に限らず幅広くバックアップしていけるようなメディアを目指したいという想いを込めています。人によってしあわせの形はそれぞれ。ですので、様々な「しあわせのカタチ」を記事として提供していく予定です。

具体的には、各ライターさん自身の体験を正直に読者と共有することによって、「しあわせ」の仮説立てができるのではないかと。決して正解は無いと思うのですが、「こういう考え方もあるよ」という体験談を幾つも提示する事で読者と結びつく形を目指します。

そういう意味では「ほぼ日」さんの女性メディア版というイメージが近いと言えるのかもしれませんね。

ANGIEの編集方針は「ライターを尊重する」こと

−お話を伺う限りでは、ライターさんの体験に頼る部分が大きくなるという印象ですが、編集方針や体制についても教えてください

秋田:現状では、ライターさん約45名ほどに対して、編集は我々2名の体制です。方針としてはいかにライターさんの良いところを引き出せるかという点を考えています。

原稿の依頼内容についても基本的には枠にはめず、ライターさんが書きたい内容を書いてもらう形ですね。

ひとみ:枠にはめて決まった内容をライターさんに書いてもらおうとするやり方では、いずれネタが尽きてしまうと思ったんです。

 

−編集長自身が長くライターとして経験されてきたからこそ、書き手の気持ちが分かると。

ひとみ:はい(笑)毎日早朝から多くの時間をメールの返信など、ライターさんとのやり取りに費やしていますが、「たくさん書きたい!」「文章をもっと上達させたい」というライターさんが非常に多いんですね。ですので、我々としてはそういった想いを持った方々がANGIEから有名になって出ていくように、後押しできればという気持ちもあります。

また、ライターさん自身が書きたいものを書くという方針によって、メディア側としてもネタが切れず継続的に運営していけると思いますし、読者にとっても価値の高い対話が提供できるのでは無いかと思っています。

秋田:読者も含めて、関係者全員がしあわせになるような運営を行っていきたいと思っています!

 

−具体的にはどういった内容のコンテンツが増えていくのでしょうか?

ひとみ:読者との対話を重視したコンテンツ作りを意識しています。例えば、美創家の橘瞳子先生によるコーナーでは、実際に読者からの質問を受け付けており、Q&Aという形式でコンテンツを提供しています。


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また、我々には複数の海外在住ライターさんがいらっしゃるため、各自のユニークな体験、異なる視点から文章を書いてもらっています。


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このような、他のメディアとは異なる切り口のコンテンツを徐々に提供していければと思っています。

 

−では最後に、新しいコンセプトを実現する上で重要だと思われていることを教えてください

ひとみ:売上を追い求め過ぎると、どうしてもPV至上主義に陥ってしまいます。「消費されるコンテンツ」という概念を超えていかなければ、関係者全員のしあわせには辿り着かないのではないかと思っています。

そこにはやはり哲学が必要だと感じます。我々が目指す「読者と対話できる環境」を作ることが、長期的なメディアの運営につながっていくのではないでしょうか。

個人的には、PV至上主義は頭打ちになるのではないかと考えていますが、いずれにせよその答えは読者が持っていると思います。

PVを追い求めることを止め、本当の「しあわせ」を求めるメディアへ舵を切ったANGIE。だが果たして、メディアビジネスとしての狙いはどこにあるのだろうか。

後編では、ANGIEを運営するエスタイル代表の宮原氏から伺った、その新たなビジネス戦略の詳細をお届けしたい(近日公開)。

(somewrite編集部)