Booklapを運営する株式会社Prosbee代表の笠井氏。大きめの「ろくろ」が特徴的だ。
読書の感動を共有できる”本のソーシャルサービス”Booklapをご存知だろうか?
心に残った本の名言を共有することで、新たな本や同じ価値観を持った仲間との出会いを創出することに取り組んでいるサービスだ。
※ちょうど本日(2/21)、上記のミッションを実現すべくBooklapが大幅なリニューアルを実施。
今回は、そのBooklapが取り組むオウンドメディア活用法を代表の笠井氏に伺った。Booklapのオウンドメディア「Booklap webマガジン」はsomewriteにも参加して頂いており、質の高い記事コンテンツが特徴的。
今回のインタビューでは、多くの企業がオウンドメディアを始める際に悩みがちな以下3点について、有益な情報を頂くことができた。
・インタビューのポイント
1.オウンドメディア実施の目的は何か
2.オウンドメディアの評価指標やKPIをどう設定しているか
3.オウンドメディアの運用体制で工夫していること
− それではまず、Booklapのサービスについて教えてください。
特徴としては2点ありまして、まず1つ目が「実名制」による読書のディスカバリーサービスという点です。
自分の友人や尊敬する人が読んだ本に出会えることや、電子書籍化によって「みんなで本を読む」という体験の提供に取り組んでいます。
2つ目は、書籍のレビューシステム。
心に残った本のフレーズをユーザーがシェアするという体験を通じて、その感動や自分の考えを可視化できることが特徴です。
実はちょうど本日、Booklapを大幅にリニューアルしました。これまでは、本のフレーズを目立たせることで投稿数を促進していましたが、次のステップとして「人を通じて本と出会うこと」を強化していく方針です。ぜひ期待してください!
オウンドメディアに取り組む目的とは
– では次に、オウンドメディア「Booklap webマガジン」を始めた経緯や目的についても聞かせてください。
目的は、現在のユーザーとは違う層の方へリーチするためです。
Booklapのユーザーはいわゆる「本が好きな人」ですが、そこまで本が好きという訳では無い方、つまり潜在層にオウンドメディア経由で読書の楽しさを伝え、最終的にはBooklapを使って頂けるようにしていきたいと考えています。
– その目的を実現するために、どんな事をコンテンツに反映していますか?
記事の内容については、どうすれば読書を好きになってもらえるかという点を意識して作成しています。例えば新刊の著者にインタビューを行う記事を作成しているのですが、その場合も単に本の紹介をするだけで無く、著者自身はどんな本が好きなのか、また本を通して伝えたい想いや体験を詳しく聞くようにしていますね。
『 世界の働き方を変えよう 』の著者、吉田 浩一郎さんインタビュー(Booklap Webマガジン)
・Booklapがオウンドメディアに取り組む目的
Booklapのサービスで捉えきれていない「潜在ユーザー」へリーチするため
オウンドメディアの評価指標
– 続いて、オウンドメディアを運営する上での指標やKPIについても教えてください
はい、指標として設定しているのは主に3つあります。
まずは各記事のPVと来訪ユーザー数、それに各記事からBooklap本体への流入数、加えてオウンドメディア経由での新規会員登録数を追うようにしています。
注目の若手起業家は、この通り「ろくろ」も変幻自在だ。
このうち、記事ごとのPV数にはかなりバラツキがありますが、総じてPV数が多いのはインタビュー記事です。得に検索からの流入が多いのが特徴ですね。
– なるほど!新しく始めたオウンドメディアはドメインも若いため、既存の書籍タイトルについては古くからある大手サイトより検索上位に表示されることが難しいケースもあると思いますが、たしかに新刊であれば比較的戦いやすいと。
はい。新刊が発売された際は本のタイトルで検索をする方が多いため、事前にAmazonの新刊予約リストを見て候補をピックアップし、著者にインタビューの依頼をするようにしています。サービスの特性もあって、ほとんどの著者に取材を引き受けて頂けています。
– Booklapへの流入や会員登録についてはいかがでしょうか?
こちらは目標達成までの時間軸を長めに見ています。先ほどもお伝えした通り、潜在層に「本を好きになってもらう」という目的のため、多少ハードルが高いと認識をしているからです。現時点ではそれほど大きく貢献している訳ではありませんが、手応えは感じているため、継続的に取り組みたいですね。
・Booklap webマガジンのKPI
1.記事ごとのPVや来訪者数
2.記事からのBooklapへの流入数
3.オウンドメディア経由での新規会員登録数
オウンドメディアの運用体制について
– では具体的なコンテンツ制作の方法や運用体制についても教えてください。ちなみにインタビュー取材は笠井さんご自身で行われているのですか?
はい、実際に私が取材するケースが多いですね。
ただ、一つの記事を作るのにも非常に時間と手間がかかることに、やり始めて気づきました(笑)。
そのため、現在ではクラウドソーシングを活用して作業を分担するようにしています。
– それは興味深いですね!どんな作業を依頼しているのですか?
具体的には、「テープ書き起し」と「編集」です。
私が取材したインタビューの内容を録音しておき、クラウドソーシングで書き起しの依頼をしています。それが大体1,500円〜2,000円くらい。そして、上がってきたテキストを別途、編集のプロの方にお願いしています。こちらは500円〜1,000円程度ですね。出版社で編集をされている方にお願いしているので、質が非常に高いです。
オウンドメディアは楽しくないと続かないと感じていますが、個人的に取材に行くのはすごく楽しい(笑)作業の部分は外部リソースを活用し、上手く仕組み化することで、継続的に記事を提供できるように工夫しています。
– しかもかなり低コストですね。とても参考になりました。
・Booklap webマガジンの運用体制
クラウドソーシングを活用し、「テープ起こし」と「編集」を外部に委託することで仕組み化を実現
終わりに
オウンドメディア運営において、その目的や指標の設定、運用の効率化は非常に重要なポイントだ。特に運営に携わるリソースも費用も限られるスタートアップがオウンドメディアを効率的に活用するには、当然工夫が求められる。
Booklapが実現している外部リソースを使った役割分担や仕組み化については、同じ様な悩みを抱える企業にとって大いに参考となる事例ではないだろうか。ぜひオウンドメディアの効率化に役立てて頂きたい。
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http://somewrite.jp/media/booklap
(somewrite編集部)